た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

群衆の居場所

 ちなみに、著者のホームページも本書の書名と同じ:群衆の居場所 | 哲学者たり、理学者たり。

群集の居場所―都市騒乱の歴史社会学

群集の居場所―都市騒乱の歴史社会学

  • 作者:中筋 直哉
  • 発売日: 2005/02/25
  • メディア: 単行本
 

  ところで、グンシュウをどう書き表すか、で意味も少し違うみたい:「群衆」と「群集」の違い | 日本語早わかり

 さて、副題にあるように、都市騒乱(wikipedia:日比谷焼打事件*1wikipedia:大正政変*2、東京のwikipedia:米騒動*3)に焦点を当てて分析してるんですが、高校でも社会科の選択は世界史でいずれもよく知らない狂人には、やっぱりちょっと敷居が高かったでしょうか…知らないことが多い分楽しく読めましたが。

 この分野での古典は、「都市のドラマトゥルギー*4と「日本の都市下層」だそうだ。機会があれば。

 「アモルフな変動」っちゅーのは無定形な変動、っていう意味?

 wikipedia:盛山和夫が「問いの構図」という術語を使っているそうなんだが、ググってもようわからん…「大衆社会批判の構図」も同様…

 wikipedia:作田啓一が「溶解体験」とかいうことを言ってるそうだ。

 で、この「群衆」

  1. 自己精神定立の否定的媒介としての群衆
  2. 自己精神溶解の肯定的媒介としての群衆
  3. 自己精神定立の肯定的媒介としての群衆
  4. 自己精神溶解の否定的媒介としての群衆

に分けることができるんだと。

 あと、人は群衆の中にいないとき、一人ひとりの憂いと悲しみに自閉しているから、群衆を求めて歩くんだと。これまた(狂人は除く)のような気はするが。

 wikipedia:萩原朔太郎の詩によると、

人は、群衆という名の教会において孤独という洗礼を受けることによって、はじめて自発的な意思と愛欲をもつ存在 

 となるんだそうだ。

f:id:takahiro_kihara:20190221172100p:plain

こんな本もあるとか:群衆 - 機械のなかの難民 (中公文庫) 群衆―モンスターの誕生 (ちくま新書)

wikipedia:ギュスターヴ・ル・ボンによれば、

群衆中の個人は、もはや彼自身ではなく、自分の意志をもって自分を導く力のなくなった一個の自動人形である 

 とのこと。

 そえばこんなもあったねぇ:wikipedia:共同体ゲマインシャフトゲゼルシャフト*5

 「ストレーン」というのも何のこっちゃ…(ここでも使われているようだが。)

 で、(理論的考察の)まとめとしては

群衆とは、社会運動とは別の論理によって、社会変動とよく関連付けられる社会的事実である

 とのことだそうだ。これも:wikipedia:総合社会学(社会形態学)

群衆が無秩序と形容されるのは、群衆が痴漢のような逸脱的な自我が寄生することを抑止できないからであって、(中略) その意味では、むしろ先に逸脱した自我の方を無秩序というべきなのである

 注だが

wikipedia:暴力が、近代社会科学にとってまず克服しなければならない課題であった 

 ふーん。

 群集の暴力は、たいてい(人ではなく)モノに向かうそうだ。そえばそっか。

 フェビアン主義っちゅーのもありますか:wikipedia:フェビアン協会

 wikipedia:家父長制は聞いたことあるけどwikipedia:家産制は初耳でした…wikipedia:石高はともかくwikipedia:村請制度も…

 これも(あとで)読んどくか:wikipedia:家族 wikipedia:都市下層

 そえばあたらしい狂気の歴史 -精神病理の哲学-なんていう本があったけど、そもそもwikipedia:狂気の歴史という著作があるんだね…

 今や世界で通じるwikipedia:交番*6ですが、

巡査を代で屯所から「交番所」へ行かせ、立(りつばん)などを行なう場所 

 だから「交番」なんだね*7

 wikipedia:上野恩賜公園は都市wikipedia:公園というよりむしろ博物館(この辺とかこの辺*8)の前庭だそうだ。確かにそっか。

 こんな本も:『「新しい歴史学」とは何か』(福井 憲彦):講談社学術文庫|講談社BOOK倶楽部

 wikipedia:ソーライス wikipedia:エミール・デュルケームの「社会的事実」とか。

 フランス語ようわからん…wikipedia:ファサード これもよう知らん…wikipedia:シーメンス事件

 ググってもイマイチようわからんが、wikipedia:慶應義塾大学は三井系なんだそうだ。Google先生によると、三菱系はwikipedia:成蹊大学なんだと。住友はわからん…

 これも勉強しとかなあきまへんなぁwikipedia:東京市 この辺とか:【下町の歴史】「東京東側」の郊外化の歴史をたどる | 住まいの「本当」と「今」を伝える情報サイト【LIFULL HOME'S PRESS】 最暗黒の東京・下層社会を行く そもそも、田舎モンは地名言われてもピンとこないんだよね…

 こんな諺があるそうだ:「総領(そうりょう)の15は貧乏の峠末子の15は栄華の峠」(【社会保障70年の歩み】第13回・子育て支援 「スターティング・ストロング」 | シリーズ 戦後70年 | ハートネットTVブログ:NHK

 wikipedia:弾左衛門(浅草新町)

 南京米はググったらこれになりました:wikipedia:インディカ米

 異論もあるそうだが、商店があってこそwikipedia:繁華街、とのこと。

 最後に、

群衆こそは私たちの生きる現代日本社会の歴史的先行条件にほかならない 

 ということだそうでした。

 

*1:著者によれば、日比谷・焼打事件(場所が日比谷に限定されない)だそうだ。

*2:狭義の、かな?

*3:著者の論文ヒット:東京の米騒動

*4:これはどっか別な場所でも見かけた記憶があるなぁ。文庫にはなってるようだから、実家の本棚に転がってたりして…

*5:と同様。

*6:ウルサいことを言うと、世界で通用するのはKOBANかな?

*7:'22 3/30追記。ということは、今はお巡りさんのいない交番が多いじゃない。あれは交番じゃなくて、ただのハコなんだね。原住地の近くに「交番前」っていうバス停があるんだけど、そこの交番も無人だから、名前変えた方が良いね。

*8:確か、法的には美術館は博物館の一種なんだよね:美術館と博物館の違いは?いろいろな美術館・博物館 | | MIXコミュニケーション