た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

その脳科学にご用心

その〈脳科学〉にご用心: 脳画像で心はわかるのか

その〈脳科学〉にご用心: 脳画像で心はわかるのか

wikipedia:脳機能イメージングが広く用いられるようになった結果、神経経済学から神経法学、神経哲学、神経マーケティング、神経金融学、さらには神経美学、神経歴史学、神経音楽学、神経政治学、神経神学なるものまで誕生しているそうで、本書はそういう神経〜の氾濫に警鐘を鳴らしています、でいいのかな?
確かに、wikipedia:脳機能イメージングの「ここが光った、あそこが光った…」は相関関係*1であって、因果関係なのかどうか、は必ずしも明らかではないんだよね。そういう現状を、本書では「斑点学」と揶揄していた。
そーえばMRIの音はこんな音だったか(音量注意!)。

オラも昔一度受けたことがあるから*2。本書では、

金属製スパイクのついたゴルフシューズが乾燥機の中で転がりまわっているような、とたとえられてきた騒音だ。

と形容されていた。いずれにしろ、心地いい音ではないね。特に、終わったかな?と思ったらまた大きな音が鳴るのが不快だったような記憶がある(今改めて聞いてみても、やっぱりビックリする)。

(そのうえ)脳は損傷を受けたあとに自らを再編成して、傷ついた領域の機能を他の領域が引き受けることがある。

脳画像は、目撃証言*3と同程度に誤りに満ちている。

(慢性)中毒者が治らないのは使用の欲求を制御できないからではなく、制御の動機付けが出来ていないからだ。

成り行き上「記憶」に関心のある狂人としては、古い本だが

なぜ、「あれ」が思い出せなくなるのか―記憶と脳の7つの謎

なぜ、「あれ」が思い出せなくなるのか―記憶と脳の7つの謎

なんていう本にも興味を持った。でも文庫にもなってるんなら、
なぜ、「あれ」が思い出せなくなるのか―記憶と脳の7つの謎 (日経ビジネス人文庫)

なぜ、「あれ」が思い出せなくなるのか―記憶と脳の7つの謎 (日経ビジネス人文庫)

古本屋を探す方が良いか?
こんな本も:
哲学する赤ちゃん (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)

哲学する赤ちゃん (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)

成熟とは徐々に起こるもので、はなはだしい個人差があり、子供には力の及ばない家庭環境、社会環境、文化的背景などにある程度左右される。

スポーツ習得の神髄は自動性の意図的な獲得、すなわち、第二の天性のように自然に体が動くようになることに尽きる。

wikipedia:バーナード・L・マドフに「150年の禁固の刑の判決」が下されたのも、物理屋的には「そんな年数意味ないやろ。」とか思ってまうけど、刑を言い渡した判事曰く、「被害者が受けた心の痛手を象徴的なかたちで癒すため(には必要だ)。」そうだ。また、刑罰は加害行為に見合っていると見なしうるものでなくてはならないそうだ。
結局、現状では脳についてわかっていることは一割未満*4だから、脳について早急な結論を出すのはお止めなさい、ということのようで。
という訳で、いろいろな本も紹介されていて、大変読み応えはありました。
あ、でも2、3意味不明な表現があった。(書物を)ものす、ってどういう意味かなぁ?あと注だけど、国際社会環視のもとで…ってorz

また、図書館で読みかけた本:

*1:本書では「神経相関」と表現。

*2:その感想は、記憶にございませぬorz

*3:実際、目撃証言というのはあまりあてにならないらしいもんね。この辺とか。

*4:本書の表現では、一けた台のパーセンテージとしていたが、これって日本語で言えばこういうことだよね。