た-くんの狂人日記

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意識はいつ生まれるのか

意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論

意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論

朝日新聞書評:科学的な追求で、謎に突破口|好書好日
元々イタリアの本で、原題は(直訳すると)「これほど偉大なものはない―覚醒から睡眠、昏睡から夢まで。意識の秘密とその測定」というものだそうだ。ガリレオの言:「測定できるものは測定し、できないものはできるようにせよ」(出典:CIVILOPEDIA Online: 物理学)が引用されている辺りにイタリアの香りがした。
で、副題にあるように「統合情報理論*1の説明かな?本書では、「情報を統合できるシステムのあるところに意識あり」と表現されていた。
冒頭では、「なぜ脳という物質が、光や闇を難なく見分けられる主体を宿しうるのか」というという問いに答えようとする物語だ、とか言ってたから、それって要するにwikipedia:意識のハード・プロブレムのことかな?と思って読んでたんだが、そう明言されることはありませんでしたorz
wikipedia:哲学的ゾンビの大部分は、wikipedia:小脳wikipedia:大脳基底核におさまっているんだって。
まぁでもwikipedia:意識というのは論者によって定義が微妙に異なるそうだから、本書もまた意識の謎に迫る一つの手がかりに、っていう程度にとどめるのが無難なのかな?実際、スチュアート・サザーランドという学者は心理学辞典の序文で

意識というのは魅力的な現象ではあるが、とらえどころがない。(後略)

と語っているそうです。

*1:Wikipedia では著者の項に少し説明がある。wikipedia:ジュリオ・トノーニ あるいは、こちらのPDFも。:意識・無意識の神経科学・意識の統合情報理論