た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

時間かせぎの資本主義

時間かせぎの資本主義――いつまで危機を先送りできるか

時間かせぎの資本主義――いつまで危機を先送りできるか

ここの続き。

(一般的信条としては)wikipedia:完全雇用は戦後資本主義の社会契約の礎石だった。

民営化されたケインズ主義*1は国家債務を家計債務に移し替えた。

今日では、何が国家で何が市場なのか、国家が銀行を国有化したのか、それとも銀行が国家を民営化したのかが、もはや認識できなくないほどになっている*2

底辺層の政治的諦念が、資本主義を民主主義的介入から守り、諦念の源である新自由主義的転換をますます安定化させている

wikipedia:公平にもいろいろあるようだ(本書に出てきたのは、「市場的公平性」と「社会的公平性*3」)。
著者の考えでは、

国家債務の原因は過大な歳出にあるのではなく、過小な歳入にある

とのこと。
あと、これも読まんとダメ?

ポスト・デモクラシー―格差拡大の政策を生む政治構造

ポスト・デモクラシー―格差拡大の政策を生む政治構造

留保賃金(りゅうほちんぎん)とは - コトバンクってーのもあるんだとか。
今や、債権者は現代国家の第二の選挙民なんだそうだ。あるいは、金融市場は三権(wikipedia:三権の長)、メディア(第四の権力)に並んで言わば第五の権力なんだって。

金融危機と財政危機に見舞われる中、租税国家を引き継いだ債務国家は、今や財政再建国家への転換過程にある

とのこと。
ヘアカットは、髪を切ること、ではなくて、債務元本の減免ですか。ロイターのニュース
でも、最後の方で

ヨーロッパ版通貨同盟は政治的な誤りだった

なんて断言してたけど、もうはや見放して良いのかなぁ?というのがパンピーの感想です。ま、本書はこれ:wikipedia:欧州連合からのイギリス脱退が決まる前の書だけど、ほれ見たことか、という著者のつぶやきが聞こえてくるような気がしないでもない。

あともう一冊は読みかけ放置で。