日本語は生きのびるか---米中日の文化史的三角関係 (河出ブックス)
- 作者: 平川祐弘
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2010/02/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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あとがきでは、アインシュタインが死の間際にあって、ドイツ語で何かを語ったけれども、アメリカ人看護師の解するところではなかったというエピソードを紹介し、(言ってみれば)私はこうなりたくない、という感じで結んでいたのですが、そうは言っても、ない袖は振れない以上、まぁ仕方ないんじゃないでしょうかね。
そもそも、本書の根底にあるのは
(詩のような)心の底からの感情の叫びは母語、ないしは母国語でなされるべきだろう
という主張でしょうが、でも考えてみたら、僕の師匠は、日本語だったら「ちぇっ!」とでも言うような場面*1で、"Oops*2!"と言ってたんですよね。それは反射的に発せられるように感じられ、その都度脳内変換しているようには見えなかった。
とか思ってたら、http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100701k0000m020087000c.htmlなんていうニュースも入ってくるし、日産とユニクロの公用語は既に英語になってるらしいし、まぁ日本語というローカルな言語の地位低下は避けられない流れでしょう。僕たちは、そういう世の流れに合わせて生きざるを得ない。その中で、日本語の伝統を守ろう(例えば、安直に外来語のカタカナ表記をするのではなく、他の日本語に言い換えられないかどうかちょっと考えてみる、とか。*3)という姿勢は重要でしょうが。
でもだからと言って、本書中に墺*4とか粟散辺土*5とかいう、ATOKの辞書にも入ってないような単語がゴロゴロ出てくるのにはちょっと閉口した。