た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

民主主義とは何なのか

民主主義とは何なのか (文春新書)

民主主義とは何なのか (文春新書)

表題の通り、(今日、無条件で良いものだ、と思われている)『民主主義』というものを、未知なもの、不気味なものとして問いかけている好著。ただ、元々は旧仮名遣い(例えば、「思う」を「思ふ」と書くなど)で書かれたらしく(編集部方針に従い新仮名遣いに改めた旨あとがきに記されている)、全体的に隙を見せまい、という堅苦しさが感じられ、気軽に読める、という類の本ではない。この手の本は、読むときには、正座して傍らに筆と半紙を用意して、という感じかな?(この本 BOOK OFF で見つけたんだけど、BOOK OFF もよくこんな難解な本買ったもんだ。売れてホッとしたことでしょう。)まぁ、内容とかは Amazon のデータベースに譲るとして、私の感想をば(って、読んだのもう数日前だし、記憶あやふやなんだけどね)。
目次の構成が、この本の内容をよく表していると思います。はじめに「デモクラシー」というのが甚だいかがわしい言葉であったことを述べ、「国民主権」や「人権」という言葉のいかがわしさについても述べています。そういった言葉がお嫌いな右の方は、読んでもまぁ楽しめるでしょうが、普通は、最後まで読むとくどくてゲップが出ると思う。ただまぁ、論の展開自体はそう無理があるわけではない。
ただ、思うんだけど、この論法で行くと、(狭義の)「民族自決」みたいな考え方も怪しいものだ、と言えるんじゃないかな?