た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

死のテレビ実験

死のテレビ実験---人はそこまで服従するのか

死のテレビ実験---人はそこまで服従するのか

いつだか読んだ本の参考文献に挙げられていたので、市の中央図書館に行った際に発掘。
一言で言えば、wikipedia:ミルグラム実験の現代版(テレビ番組収録という名目で同様の実験をする)ですかね。元はフランスの本のようだが。
エキサイトの記事:視聴率のために殺人を見世物にする世界!?『死のテレビ実験』 - エキサイトニュース(1/4)*1
HONZ の記事:『死のテレビ実験 人はそこまで服従するのか』 - HONZ
本書が伝えたいメッセージは

テレビが大きな権力を持っていて、近い将来その力を乱用する可能性が十分にありえる

ということだそうだ。
本書によると、

wikipedia:社会心理学というのは、「社会との関わりの中で、個人はどのように行動するのか?」を解明する学問

とのこと。
こんな本もあったそうだ。

これで相手は思いのまま -悪用厳禁の心理操作術-

これで相手は思いのまま -悪用厳禁の心理操作術-

  • 作者: ロベール=ヴァンサン・ジュール,ジャン=レオン・ボヴォワ,薛善子
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 2006/02/28
  • メディア: 単行本
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市の図書館にはあるから、取り寄せてもいいけど、まぁ機会があれば(だって古いし)。
あ、でも本書の実験は、さすがに妊婦にはドクターストップがかかったようだ。狂人はどうでしょう?
テレビのスタジオの観客は、やれと言われればブーイングでも拍手でも何でもやるそうだ。
また、wikipedia:ミルグラム実験は、結果が予期しないものだったからこそ、多くの批判を浴びたんだそうだ。ま、そうだろうね。人間、自分の暗黒面をズバリ指摘されると、後ろめたくなって八つ当たりしたくなるもんだから。

現代では何か問題があっても、人と連帯して立ち向かうという気持ちが失われがちである

あ、で、このミルグラムが言う「服従」は「自発的服従」という奴で、これは罰がなくても自ら進んで服従するんだそうだ。これに対して、罰があるから(シブシブ)従うのは「強制的服従」と言って区別されるようだ。
こんな説もあるんだとか。wikipedia:公正世界仮説
また、良心を支えるものの一つは「連帯」で、だから孤立している人間は服従しやすい、とのこと。それと、お金が絡むと「お金のために仕方なくやってる」と思えるから、むしろ「無償の行為」の利用には注意した方が良さそう。
こんな話もちょっと:お笑いの基本概念「緊張の緩和理論」を解説 - 愚かなる独白
最後の方にあったまとめの言葉は、

テレビは無自覚な宗教

とのことだそうだ。無自覚だからこそたちが悪いようだ。また、現在のテレビは「縁日の屋台で実弾射撃させているようなもの」とも。最後にはこう表現していた。

私たち一人ひとりがテレビの<権威>の恐ろしさを知り、それと同時に自分もまた人間として普通に<権威>に服従しやすい存在であるのを知ること

が、「テレビの危険」から身を守るためにしなければならないこと、だそうだ。
オラの場合は、耳が悪くなって視聴量が強制的に激減しましたorz

あと、家の近くの図書館で読みかけた本:

*1:確かにウェブサイトも、「アクセス数のためなら何でも」やりかねんなぁ。