ロボット化する子どもたち―「学び」の認知科学 (認知科学のフロンティア)
- 作者: 渡部信一
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 2005/11/01
- メディア: 単行本
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昔、ちょこっと、「自閉症児の学びが機械・コンピューターのそれに似てきている。」なんて書いたけど、そのことについて詳しく論じていますね。それで、本書の一つのテーマとなっていたのは、20世紀の工業社会における(これまでの)教育から、21世紀の高度情報化社会での教育へ、いかにして転換すれば良いのか、という話です。これまでの西洋型の、一つ一つステップを踏んで段階的に学んでゆく教授法では限界があり、東洋的な「しみこみ学習」(端的には、職人の教育なんかがそうです。ただそれって、一歩間違うと、「場の空気を読む。」とかいうよくワカラナイ思考につながらないかなぁ、とも思う。)が有効ではないか、と提案していました。
その有効性についての議論は、例によって専門家(と称する人々)に任せる、として、パンピー*2のオラが受け取ったメッセージは、教育の世界でも、20世紀型の思考は時代遅れになってるんだなぁ、というちょっと寒々とした想いです。
自閉症児の学びなんて、関係ないや、と思っているアナタにも、役に立つ(であろう)ことを。毎日毎日最新の情報を蓄積してゆくだけではダメで、
あふれる情報の洪水の中で、自分にとってプラスになる情報だけを自分のものにすることこそが、本当の意味での「学び」なのである。
とありました。なるほどね。
「おわりに」で、
ロボットは論理的整合性をわずかに欠いただけで動かなくなってしまう。
とあったのが印象的でした。*3