- 作者: ヴィンセントヴァーガ,アメリカ議会図書館,米国議会図書館=,LC=,Vincent Virga,川成洋,太田直也,太田美智子
- 出版社/メーカー: 東洋書林
- 発売日: 2009/05
- メディア: 単行本
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さすがに500ページ近い*1大著なんで、ほとんど流し読みですが。
でも、本書は、地図そのものの発展の歴史というよりは、地図と歴史、つまり地図を通して見た(世界の)歴史、といった趣でしたね。
古今東西の地図と、その地図が書かれた背景などを詳しく解説しています。アメリカ国会図書館編だからアメリカ中心かな、と思ったら、さにあらず。まぁ地中海世界とヨーロッパの分量が多いのは仕方ないとして(資料もたくさんあるだろうから。)、それらに勝るとも劣らない項数がアジア・アフリカにも割かれています。この辺は、やはりアメリカさんの懐の深さなんでしょう。
印象に残ったのは、地図というのは単に地形を規則にそって表現したものなのではなく、それがどう表現されるかは権力の移行をも表現しているのだ、という全体を貫く思想ですかね。そう考えると、確かに Google Map の急伸にはちょっと不気味な臭いを感じざるを得ない(今ちょっと見てみたら、やっぱり北朝鮮は真っ白なんだね)。また、あとがきで述べられていた、
人々をあまねく啓蒙せよ。そうすれば、心身の専制と迫害は、暁の悪霊のように消えるであろう。
というwikipedia:トーマス・ジェファーソンの言も印象に残った。
*1:地図を示す図表は、200枚以上!