市の図書館で見かけて、小難しそうだけど手を出した。
- 作者: 美馬達哉
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2012/11/21
- メディア: 単行本
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本書で何度か言及されたのは、「リスク」と不確実性の違いで、wikipedia:フランク・ナイトによれば
確率的に生じる現象で前もって確率分布がわかっているものをリスク、分布がわかっていないものを不確実性と定義している
そうだ。だから、原発事故のような稀にしか起こらない*1ことは不確実性であって、健康診断の結果からwikipedia:生活習慣病に罹患するかどうか、とかいう話になってはじめて「リスク」という語を用いるべきらしい。ただ、「リスク」という語には社会的に負のイメージがあるので、そのことにも注意を払うべきだ、とは言ってた。
以下、例によってデジタル書き抜き。
本当の恐怖とは、インフルエンザウイルスではなく、インフルエンザ恐怖だった。*2
民主的な政治的意思決定の手続きは、(誰にでも有無のわかる)富の分配には有効だったが、(素人の目には見えにくい)リスクの分配には適していない
そうだ。要するに、民主的手続きの名のもとに負担を地方に押し付けるのは問題がある、ということかな?
身体とは、歴史・社会的過程の中開かれた問いの場所なのだ。
近代福祉国家とは、<規律訓練>と<予防テクノロジー>(「wikipedia:生政治学」)のある種別的な形の、矛盾をはらんだ接合*3
なんかこんなの:サイバーローデントもあるそうな。
wikipedia:ウルリッヒ・ベック氏によると、例えばwikipedia:遺伝子組み換え作物のリスクは(何が起こるかすべて予測するのは無理だから)現実には計算不可能だそうだ。
あと、これは読みかけ放置orz
*1:起こるべきではない、と言い換えた方が良いかも?
*2:wikipedia:エチカ (スピノザ)より孫引き。