た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

炭素文明論

炭素文明論:「元素の王者」が歴史を動かす (新潮選書)

炭素文明論:「元素の王者」が歴史を動かす (新潮選書)

図書館では、朝日新聞で紹介された、と書いてあった。:希少元素をめぐる人類の争い|好書好日
僕は、はてブで書名を見かけてたのかなぁ?はてなブックマーク - 炭素文明論 : 有機化学美術館・分館
まぁ化学の読み物なんですが、本書の冒頭から紹介文を抜書きすると(手抜き)、

本書は、いくつかの炭素化合物をピックアップし、それを人間がどう利用してきたか、また炭素化合物が人間社会をどう動かしてきたかを記していきたい。

そうだ。
化学の読み物ではあるんだが、戦車をタンクと呼ぶことについて、

英軍は、機密保持のために表向き「水を運ぶためのタンクを作っている」としていたため、その後(第一次世界大戦後)も戦車を「タンク」と呼ぶようになったとされる。

など、本筋以外の話も興味深かった。
でもやっぱり、化学を通して見た世界史*1の本、という感じになってしまうのは、売れ行きを考えると仕方ないんでしょーか?それなら、「文明論」などと大それた書名をつけるんじゃなくて、「炭素のものがたり」くらいにとどめておく方が良いのかもしれない(著者自身、「おわりに」で

「文明論」などと大上段に振りかぶった本を書くような柄ではないことは、誰よりも筆者自身が一番よく承知している、

と認めてた)。