た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

人間になるための芸術と技術

一言で言えば、「人文科学」、あるいは「教養」(が果たす役割)について語っています。でも、この手の本を読みこなすためには、またそれなりの「教養」が必要だったりもするわけで、完全に畑違いのオラにとっては、読んではみたけど結局何だかよくわからんかった、というのが正直な感想でしょうか。
でも一つ興味深かったのは、「人文科学」という言葉についてですかね。この言葉は元々、社会科学に対する表現として生まれたらしいんだけど*1、社会科学や自然科学は科学としての「再現性」が重視されるのに対して、人文科学の場合、解釈や理解は文脈や時代*2によってかわり得るから、再現性があるとは必ずしも言えないんです。困りましたな。つまり、人文科学の科学と社会・自然科学の科学は全く別物だ、ということですな。
あともう一つ印象深かったのは、「ランダムな知識(≒雑学)だけでは、真の学力とは言い難い。レポートや論文で、知の体系化が不可欠だろう。」という主張ですかね。ところが、現代社会ではスピードや効率性が重視されるからか、雑学的な知識の方が重用されたりもするんで(センター試験のような択一式の試験は完全にそうですもんね。)、まぁ難しいところですな。
しかし、本書の分類はNDCで002(知識、学問、学術)つまり、Google 本を探しに行って発見した訳で、まぁ本書でも Google のような検索エンジンが人文学に及ぼす影響なんかもちょっと考えてはいたけど、もうちょっと良い分類はないもんかなぁ、とも思う今日この頃。

*1:ただし、「人文」という言葉自体はwikipedia:易経の彖伝(たんでん)に由来するそうだ。

*2:人によっても変わり得ると、オラみたいな変人は思う。