た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

人類は「宗教」に勝てるか

人類は「宗教」に勝てるか 一神教文明の終焉 (NHKブックス)

人類は「宗教」に勝てるか 一神教文明の終焉 (NHKブックス)

こちらの記事から本書の存在を知って、図書館から借りてきた訳ですが。一神教についての批判は先の記事に譲るとして、本書の全体的な構成としては、一神教の批判多神教コスモロジー(世界観)の復活→無神教コスモロジーの時代へ という流れです。(まぁ、目次見ればわかるか。)
でも、本書で一番面白かったのは、アメリカは(神が大統領、総本山がホワイトハウスという)一神教の国で、それ故に常に仮想敵国*1を必要とする、という指摘でした。また、著者が心配していたのは、日本がグローバリズムという名のアメリカ版中華思想に染まってしまうことでした。
と言いつつ、著者が結局本書で一番言いたかったことは、人類は宗教(≒ある人間の思惑によって創り上げられたフィクション)は容赦なく切り捨てて良いが、悲しみから生まれる祈りは大切にしていきたい、と言うことではないか、と思いますた。

*1:冷戦中はソ連ソ連崩壊後は日本であったりイラクであったり、次はアフガンになるのかなぁ?