- 作者: 野口悠紀雄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/09/18
- メディア: 単行本
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本書のような題名を見て「オッ!」と反応するのは、オラのようなオッサン・オバハンな訳で、しゃーないと言えばしゃーないんだけど、「第三*1部 知の産業革命」で(マルクス・エンゲルスの『共産党宣言』になぞらえて)
(日本の知的プロレタリア)知の産業革命のために、前進せよ!
と結んでいたのが印象的で、この第三部の主張はもっと多くの人に読まれてほしい、と思った*2(日本の経済が沈没してしまった理由なんかも考察している)。
なんか、Amazonの書評などもあまり好意的ではないようだし、僕としては、いろんな意味で残念ではある。
とは言え本書は、知的能力が「読み・書き・そろばん」だった時代から「読み・書き*3・検索力*4」へと変わりつつあることを指摘し、その時代の変化への対応を訴えている、とでもまとめればいいかな?文中では、
と語っていました。
そう言うわりには、本文中で情報の整理に複数のラベルをつけるやり方なんかを解説してたけど、これなんてラベルじゃなくていわゆる「タグ」の使い方だよなぁ、と思ったし、Amazon の書評にあるように
野口悠紀雄衰えたり
と言わざるを得ない面も多々あることは否定できない。
だいたい、本書の前半で考察していたG-mailの話は、β版の時代みたいだし。*6
あと僕が気にくわないのは、本書が新書ではない=A5で300ページ強あること*7。やっぱり、「超」整理法がヒットしたのは、新書で手頃なサイズ(と価格)だった、というのも重要なポイントだと思うんですよね。氏は経済学者だから、何かというとすぐインセンティブを持ち出して説明したがるのも気にくわない、と言えば気にくわない。
ま、いずれにしろ、これは一年半前の書籍ですから、本書が出版されたときに出会っていればなぁ、と思う今日この頃*8。
*1:本来はローマ数字 ローマ数字は機種依存文字だから、ここでは漢字を使った。
*2:Amazonの書評などは、初めの方のG-mailの活用法などに反応した書評が多いみたいで、それでは本書の内容を半分も表わしてないと僕は思う。
*3:ただ、最近の常用漢字の改訂でこれもまた変わったんだよね。「鍵」「痕」「沙」「唄」など、常用漢字表に196字追加・5字削除の答申 | スラド Linux
*4:これはそして、伝説仮説構築力へ…
*5:オラも昔読んだ気はするけど、記憶の彼方にorz
*6:「Gmail」などのベータ表記が外れ、ついに正式版に -INTERNET Watch Watch
*7:新書だったら、時々古本屋で¥105で売ってるから、見かけたら買うだろうになぁ。
*8:別にその頃引きこもってたわけでもないようだけど、まぁ見落としたんだなぁ。