た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

オルタナティブ・メディア

オルタナティブ・メディア―変革のための市民メディア入門

オルタナティブ・メディア―変革のための市民メディア入門

邦題の副題にあるように、alternative media は日本では「市民メディア」などと訳されることが多いようですが、あくまでも(これまでの)マスメディアに対するalternative(代わりの選択肢)であって、訳者あとがきで述べられているようにこれを一律に「市民メディア」と訳するのはちょっと無理じゃないか、という訳者の思いが強く感じられる好著です。
とは言っても、本書は元々大学などでの講義のテキストとして作られたのか、各章末に演習問題までついていて、また参考URLがゴロゴロ載っているのも、チト読みづらくはある。訳者のブログビデオジャーナリスト神保哲生のブログ - http://www.jimbo.tv/、あるいは訳者が主催しているホームページVIDEO NEWS - ニュース専門ネット局 ビデオニュース・ドットコムをチト覗いてみても、リンク集とかいう親切なものは見あたらずorz また、訳者は翻訳を専門に手がけている方ではないので、訳文がチト訳わかめなんですなぁ。例えば、

一般的に貧しい地域ほど非識字率は高く…

これなんて、『貧しい地域ほど識字率が低く…』と訳すのではイカンもんですかねぇ?
また、wiki とは何か、の説明の URL が、 wikipedia の英語版のURL だったりするんだけど、これなんて日本語の解説もあるわけですから、そっちを見てもらう方が良いんじゃないかなぁ、なんて思った次第です(もっともこれは、日本語版だと URL に %E3%82 とかあって、入力が大変なんだけど)。
という訳で、原著を読める人は原著を読んだ方が良いでしょう。もっとも、(僕を含めて)原著を読みこなせる根性のある人は少ないし、原著は2005年*1の本だったりするんだけど。

*1:この手の書籍で、四年前の本、っちゅーのはチト致命的に古いんでないかい?まぁ逆に言うと、四年も経っても誰も翻訳しないもんだから、訳者がシビレを切らして訳してしまった、とも推察できますが。