- 作者: 進藤典男,菅裕明,隅蔵康一,白楽ロックビル,平尾一郎,村松秀,元村有希子,梶雅範
- 出版社/メーカー: 丸善
- 発売日: 2007/11/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 23回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
興味深かったのは、「大学の講義というものは本来面白くない。面白いかどうかは些末で、重要な知識や思考方法を習得できるかどうかがポイントとなる。」とありました。まさしくその通りですね(とは言っても、少しくらいは自分にとって面白い(〜興味がある)ことじゃないと、そもそもヤル気が起きなかったりするんで、まぁそこはバランスの問題だと思うのですが。)
また、研究生活を進める上で必要な能力もまとめてありました。曰く、
- 基礎力(基礎知識)
- 情報収集力
- 研究企画力
- 研究方法力・まとめ力
- 研究発表力
- 研究倫理力
- 推進力・精神力
だそうです。
あと、(アメリカの)NIH(National Institutes of Health)は”国立衛生研究所”と訳されることが多いですが、これは誤訳だ、と語っていました。曰く、国立健康研究所群、あるいは意訳して国立生命科学研究機構と訳すのが良いのではないか、とも。なるほどね。
また、科学ジャーナリズムについても一生一章を割いてて、なるほど考えさせられました。科学記者は科学者の「サポーター(味方)」と思われがちですが、そうではなく、科学記者の基本的スタンスは是々非々だ、と語っていました。その目的は、
- Inform
- Entertain
- Tax-payer consciousness
- Educate
- Cultivate
- Improve
- Encourage
だそうです。
まぁ、この原則をまとめると、「早く」「正確に」「わかりやすく」となる訳ですが、これらは互いに相反することが多く*1、そのバランスが問題ですね。
*1:一般に「早さ」や「わかりやすさ」を優先すると、「正確さ」が損なわれる。