た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

物理学の未来

物理学の未来

物理学の未来

うーん、これもはてブからその存在を知って、中央図書館から借りてきたものですが、どの記事だったか忘れてしまいましたorz それはともかく、本書の著者:ロバート・B・ラフリン(Robert B Laughlin)は、1998年のノーベル物理学賞受賞者です。(wikipedia:ロバート・B・ラフリン)が、全体的な印象としては、以前読んだ新しい物性物理の対象を物理学全体に広げ、還元主義*1に流れがちな現代社会に警鐘を鳴らし、創発*2主義的な考え方の重要性を説いています。なんかでも、現代では、還元主義的な合理的精神が薄れ、それと相対する神秘主義的な考え方が支配的な気がするのは、僕だけでしょうか?
まぁ、翻訳本なので、文化的バックグラウンドを知らないので読みづらかった部分があったことは否定しませんが、訳文もこなれている方だと思いますし、ご興味を持った方は一読をお勧めします。物理の知識はさほど必要としなかったように記憶しています。

*1:訳者あとがきの言葉を借りれば、自然界に存在する複雑で理解しがたい事象の数々を、理解が容易で首尾一貫した要素へと分解して理解する営み

*2:いくつか定義されていたので、上に節を改めました。