*[読書]世界の核被災地で起きたこと
出版社の記事:世界の核被災地で起きたこと - 原書房 にある日経新聞書評はパンピーは読めないけど、東京新聞書評があった:世界の核被災地で起きたこと - 原書房
原子力については、大人も子供と同じくらい無知
現在のような「ポスト真実」の政治がいつ始まったのかを知りたければ、どのように核が開発されてきたかを分析してみるといい。
著者曰く、日本は大好きだが、日本のこういうところ(広島の日銀が原爆投下の2日後に限定的ながら営業を再開したこと)は、どうもよくわからないとのこと。
しかし、本書で多かったのは、600ヤードを「約549m」とかいうんだが、「約」ならそんな細かく数字書かんでも…という気がした。
イギリスには、こんなのもあったそうで:wikipedia:MAUD委員会
本書によれば、wikipedia:マンハッタン計画にかかわった人数約175,000人は、広島+長崎での死者数とほぼ同数だそうだ。
wikipedia:プルトニウムは自然界には存在しないはずなんだが、度重なる核実験でwikipedia:セミパラチンスク核実験場にはプルトニウムの鉱山なんぞがあるんだと。
恐怖感は精神を蝕む
wikipedia:黒い雨は有名だと思うが、同じく「wikipedia:黒い霧」もあるんだと。
こうした人間の悲劇は、放射線科学者にとってみれば宝の山だった。
実際、放射線の線量の基準って、ヒロシマ・ナガサキの被爆者のデータから研究が始まったはず。
無知と短気ほど命取りになるものはない
目に見えなければ簡単に忘れてしまうのが人間だ
国家安全保障の名の下にリスクを負わされ、安全対策をないがしろにされ、記録もとらず、命が犠牲になると知りながら、それでもなお冷戦時代の工場跡地を楽観視するのは、どう考えても無茶な話だ。
今や、核の抗議集会に参加する若者はいないんだそうだ。反核も少子高齢化、と。
フックスの自伝を書いたマイク・ロシター
自伝は自分で書くから「自伝」になるもんじゃないのか?(他人が書くのは伝記?)
原発産業は…ただの運任せで運営されていることが明らかになった。
なのに人類は反省しないで、チェルノブイリ、フクシマと事故(災害)は続くんだね…
原発は(構造的に)辺境性と秘密主義があって、これが合わさって疑念と秘密の風土が醸成されるそうだ。
そえばこんな人たちもいたか。wikipedia:リクビダートル
歴史学者のアレクサンドル・リヴォルスキー曰く、
と。
そのwikipedia:チョルノーブィリは、今や放射線生態学保護区なんだそうだ。自然界の活性化が報告される一方、遺伝子の異常も多いそうだ。
イギリスは、自然放射能が多いらしいね。記事とは違うようだが:2 世界の高自然放射線地域
その場しのぎ、は永遠には続かない
ま、しかし、原発賛成派も否定派も、不合理な面はある、というのはその通りなのかな?