た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

マインド・フィクサー

 図書館で見かけて。副題の問いに「脳、で Final Answer?」と脊髄反射したんだが、脊髄反射で済ますのは良くないな、と思い直して読んでみることにした。

書名の"Mind fixer"とは新世代の臨床科学者たちのことで、

マウスや人の脳を解剖し化学物質を分析することで精神の秘密を解き明かす、研究能力を兼ね備えた精神科医

のことだとか。

この本は、精神医学が精神疾患の生物学的背景の解明に取り組んできた長い歴史と、それが何故これほどまでにうまくいっていないのかをみなさんにお伝えするために書いた本である

 

基本的に、変わろうとしないマインドは変わらないのである

 こんな風にも言ったりするんだ:癲狂院とは - コトバンク

 「鉄道脊椎症」とか「鉄道脳症」とかいうのもあったとか:1593夜 『トラウマの発見』 森茂起 − 松岡正剛の千夜千冊 現代だったら、鉄道…ではなく自動車…と呼ばれるんだろうけど。

 wikipedia:ナチス・ドイツwikipedia:ガス室wikipedia:ユダヤ人に対して使われる前に障害者に対して使われたらしい(障害者の殺害 | ホロコースト百科事典)。

 wikipedia:泥棒男爵*1

 こういうのも:精神疾患に苦しんだ兵士たちの心の傷「50年間、口外してはならない」極秘調査|千葉県の戦跡 薄れる戦争の記憶 NHK(戦争神経症

 精神の薬も、染料から生まれたのが多いんだって。精神以外の薬については記事あった:染料から生まれた薬も―― 化学療法剤 | ヨミドクター(読売新聞)

 (アメリカは)1950年代は「不安の時代」だったらしいんだが、ググっても記事見当たらず…

 wikipedia:狂気の歴史の名も。そえば何度も見かけてるんだった…やっぱり、自称狂人たるもの読まんとダメ?でも649ページでしょ…

 wikipedia:サイエントロジーの名も出てきたんだけど、

精神医学を真っ向から否定し、精神安定剤などの服用を拒絶する。精神科医の用いる向精神薬が、ほとんど麻薬に近い効果を発揮するためだとの主張である

なのか…

 こんな話もあるとか:トム・クルーズ、自身の成功はサイエントロジーのおかげ!/海外スターバックナンバー/芸能/デイリースポーツ online 日本も、〇一教会がにわかに注目されてるし…

 wikipedia:精神障害の診断と統計マニュアルの話もしてたんだけど、どうも当初*2は治療者(医師)によって治療方針が異なるのを統一したい*3、という動機もあったみたい。それはまぁ理解できるね。かかる医者によって出される薬が全然違うんじゃ信用されないだろうから。ということは、これも便利な道具に頼りすぎると問題が大きくなる、のパターンなのかな?

 wikipedia:心的外傷後ストレス障害も、DSM-Ⅲの頃は

薬剤で治療すべき障害だとは考えられていなかった

(元々この用語は)人は必ずしも医学的な障害によってだけではなく、自分が経験した出来事によって壊れてしまうことがあるということを伝えるために造られた用語であり…

だとさ。

 こういう本もあるの:ビッグ・ファーマ 製薬会社の真実

 wikipedia:ナンシー・C・アンドレアセンが2007年に言ったことには、

チェックリストを使った診断という手法をとったDSM-Ⅲによって”注意深い臨床評価"が衰退し、記述的精神病理学への関心が失われてしまった

とのこと。この問題は昔話ではない(現在進行形)だそうだ。だから、医者を選ばないといけないんだよね…

人間の脳は障害されていようとそうでなかろうと、文化や文脈に敏感に影響されるものである

 という訳で、結局読んだのは最初の方と最後の方だけ…

 

*1:本書では「強盗男爵」だったが、泥棒も強盗も意味するところは似たようなもんか。

*2:DSMⅠとかⅡの頃

*3:本書の表現では、

自由奔放な臨床面接が内包する主観性を可能な限り排除する

だとさ。