た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

野ネズミとドングリ

 いつもと違う図書館*1で見かけて。

 あら、一節をググったらwikipedia:note (配信サイト)にも記事あったわ:ドングリとアカネズミをめぐるミステリー|東京大学出版会|note

 大ざっぱに言うと、人の生活に強く依存し人家周辺に住むのが家ネズミで、野山に住むのが野ネズミ、とのこと。ハムスターとかはwikipedia:キヌゲネズミ科になるんだと。

 ratとmouseの違いはよく目にする*2が、voleってーのもいるんだと:voleの意味 - 英ナビ!辞書 英和辞典

一匹の動物が生活する空間のことを行動圏(home range)という

 この前読みかけた本*3ではwikipedia:アンブレラ種というのが出てきたが、ネズミはハブ(生物)種だそうだ:生態系を動かす「ハブ生物種」を探る新手法 -多様な種からなる生態系の相互作用ネットワークに挑む研究戦略- | 京都大学

 wikipedia:タンニン 本書では、

植物によって生産される、タンパク質と高い結合能力を有する分子量500以上の水溶性ポリフェノール

とされてた。

 牛や羊はドングリ食べて中毒を起こすことがあるんだと。こんなニュースもあったらしい:ドングリを食べた牛は、なぜ死んだ?(コメントあり) : 宇野コラム Uno column

 そっか。ガキの頃どんぐり溜め込んで忘れて虫が湧いたことがあったけど*4、今はこういう情報もありますか…:虫がいないドングリを見分けるには? - ウェザーニュース

 生態学には、「世界はなぜ「緑」か?」という問いがあるんだと(PDF)。

 そもそも、wikipedia:ドングリの定義もなかなか面倒臭そう。こういう本も:京都大学学術出版会:どんぐりの生物学

 あるキーワードでググるとこんなページが:ブナ種子の豊凶と種子食性昆虫(捕食者飽食仮説)

 どんぐりは、乾燥させると発芽率がかなり落ちるんだって:《宍塚の里山》70 里山のドングリ それを利用した下処理法もググるといろいろある模様。

 著者が研究フィールドとしていた滝沢演習林(岩手大学寒冷FSC)ではwikipedia:コナラのドングリは2015年は豊作(落果ドングリ総数940)で芽生えまで生存してたのは0個、対して2016年は凶作(落果ドングリ総数228)でも芽生えまで生存してたのが1個だったとか。やっぱ運か、ウン*5

 どんぐりの背比べ - 故事ことわざ辞典とは言うけれど、著者に言わせると「ちゃんと見るとドングリは大きさも形もじつに多様」なんだと。それは、アナタがどこを見れば良いか知ってるからでは?

 こういうのもあるんか:wikipedia:変動係数

 生態学には、パッチという術語もあるらしい:パッチってなんですか? - daphnia_magnaのメモ帳

 あるキーワードでググるとこんなPDFヒット:変動環境下における最適採餌行動(PDF)

 著者は、ドングリに手を付けずにタンニン含有量を調べるのに苦労していたんだが、最近はwikipedia:近赤外線分光法を使って調べることもできるようになって、時代の変化を感じていたようだ。しかし、およそ一万個のドングリに印をつけたりするんだと…それぐらい好きじゃないと、生物屋は務まらんか…

 wikipedia:メタアナリシスは、本書では

これまでに発表された論文などから情報を集めて分析し、新たな発見を得ようとする研究手法

とのこと。最近時々見かけるので、デジタル書き抜き。同じく、wikipedia:出版バイアスに対しては、

研究当初に期待した結果が出なかった否定的な研究であっても、きちんと公表していく姿勢が研究者にとっては大切であるし、それをすくいとる懐の広さが学術誌などには求められる(ように思う)

とのこと。そうは言っても…という気はするが、オラもう(ほとんど)部外者ですから…

 最終的には、ドングリの豊凶と野ネズミの個体数の増減は単純ではなく、

ドングリの栄養的価値と動物のタンニン耐性の双方を考慮しないと、(中略)正しく理解できない

んだとさ。

 そえば(確か)時々出てきた:wikipedia:歪度 オラ、よく知らない…

 あとがきも面白かった。読書は著者と読者との共同作業だとさ。また、wikipedia:幸運は用意された心のみに宿るは科学の世界では「幸運はよく準備された実験室に訪れる」と言われるんだと。また、著者はネズミの研究をしてるのに、妻*6は猫を四匹も飼ってるんだって。ネズミの天敵と言っていの一番に挙がるのは猫だと思うんだが…:ネズミの天敵は猫だけじゃない?ネズミが嫌うもので対策をしよう!|生活110番

 そんな訳で、諸般の事情により後半は斜め読みになってしまった…学術的な匂いが強くてね…

 

*1:しかし思うんだけど、ひとつの自治体に複数の図書館がある場合、休館日をずらせば利用者にとっての便が向上すると思うんだけどね。そう思ってるうちに、札幌の図書館では(基本的に)休館日が無くなりましたが月二回に減りましたが…そこまでせんでも…とは思う(便利だったけど)。

*2:「マウス」と「ラット」の違いは!?英語圏はマウスとラットは全然違う - すまいのほっとライン

*3:データは騙る、など - た-くんの狂人日記

*4:思えば、あれが生物の道に進まなかった遠因かも…

*5:このネタ、前にも使ったっけ?

*6:イラストレーターで本書の挿絵も書いてくれたとか。