た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

麻薬と人間

 図書館で見かけて、年末年始だからブ厚いのを読んでやろうか、と手を出す。

 朝日新聞書評:「麻薬と人間 100年の物語」 ギャングの暗躍招いた撲滅運動|好書好日

 うーん、Wikipediaには書いてないようだが、wikipedia:麻薬戦争が始まって、およそ百年が経つんだと。

 で、著者は、9ヶ国(wikipedia:アメリカwikipedia:カナダwikipedia:イギリスwikipedia:メキシコwikipedia:ポルトガルwikipedia:スイスwikipedia:スウェーデンwikipedia:ウルグアイwikipedia:ベトナム)を回って本書をしたためたそうだ。wikipedia:新型コロナウイルス感染症 (2019年)が蔓延する前(だよね?)で良かったね…

 wikipedia:ビリー・ホリデイ wikipedia:ただノーと言おう*1

 こういう名前なんか:wikipedia:ラシュモア山

 ハリー・アンスリンガーとかいう人も:大麻取締法制定の裏事情―大麻使用の犯罪化を考えるまえに―(園田寿) - 個人 - Yahoo!ニュース

 こういうの:wikipedia:バラク・オバマの国籍陰謀論はバーセリズム*2というんだそうだ。

 wikipedia:ボルチモアは、アメリカ国内で最後まで下水道設備が整わなかった都市なんだと。→6/3追記。日本だと徳島なんだとか:下水道普及率は全国79.7%、徳島県18.4%(令和元年度末)――地域格差とその歴史 | クラシアン

 で、このwikipedia:麻薬戦争にもwikipedia:人種差別が影を落としていて、

薬物禁止の一番の理由は、黒人やメキシコ人、中国人らがこれらの化合物を使い、自分たちの置かれた立場を忘れて、白人を脅迫している

んだってさ。

恐怖を象徴的なシンボルに置き換えて、そのシンボルを破壊すれば恐怖も破壊されるはずだと期待することは、人間の自然な気持ちだ

例として挙げられていたのは、十字軍、魔女狩り。(現代の例は明記されてなかったorz)

 でも、密売人は一般に記録など残さないから、取材には苦労したんだと。そらそっか。

 なんかググったらこんな記事ヒットした:戦争と文化(19)――「テロリズム」であるかどうかは、それを判断する人の立場や価値観や時代によって異なる場合が多い。元テロリストでもノーベル平和賞を受賞する! | 大正大学

 wikipedia:信号拳銃

 ググっても見当たらんが、アメリカで殺人率が劇的に増えた時代は二度あるんだと。一度目は1920~1933(wikipedia:アメリカ合衆国における禁酒法の時代)、二度目は1970~1990(薬物が厳しい取り締まりを受けるようになった時代、とされてた)。

薬物密売人をどれだけ逮捕しても、薬物取引が減ることはない

 著者に言わせると、警官は「人種差別主義者ではなくても人種差別的な結果をもたらしている人びと」だそうだ…現代ではこの事件か?米 フロイドさん死亡事件 元警察官に禁錮22年6か月の量刑 | アメリカ人種差別問題 | NHKニュース

 アメリカの囚人を全部足すと、35番目の州になるそうだ。wikipedia:ネバダ州の人口より多い、ってことかな?こちらの記事とは数字がちょっと違うが…:コスト削減で確実に利益を出し続けるため「人間倉庫」と化したアメリカ民営刑務所の実態【橘玲の日々刻々】 | 橘玲×ZAi ONLINE海外投資の歩き方 | ザイオンライン

 こういう説も:wikipedia:化学的不均衡

 wikipedia:フォートブラッグ 世界最大ですか…

法による禁止は、狂気の沙汰の極悪非道な暴力が正当で実用的な論理を持つシステムを作り出す

 これは別に項目出来てるんだね…wikipedia:メキシコ麻薬戦争

禁酒はアメリカ人の『悪弊』をなくすことによって、組織犯罪が確かな足場を手に入れるような抜け穴を作り出してしまっただけだった

「薬物を求めるのは動物も人間も同じ」 こういうのかな?


www.youtube.com

だから、「禁止したところで問題は解決しない」というのが著者の主張のようで。依存症の背後には社会環境や孤独の問題が隠れていることが多いから、そっちを解決するのが先だ、ということみたい。

 wikipedia:エレウシスの秘儀

 こんなんもあったんですか:70年代、有名ナイトクラブ「スタジオ54」で発見した海外セレブたちのクールな写真

 wikipedia:フェデリコ・フェリーニの映画、と言われてもわからん…

 こういう話は(今や)有名(だと思う):虐待で「脳の傷」ができた子ども…どのような症状が出るのか? | 富裕層向け資産防衛メディア | 幻冬舎ゴールドオンライン 本書では、依存症になる可能性が2~4倍高まる、とあった。

 wikipedia:ファースト・ネーション

依存者たちは、精神的な交通事故にあってしまった人たちなんだ

 また、本書の立場としては、「依存症の原因は薬物ではなく社会環境」というものだそうだ。また、「さみしさが原因」とも。wikipedia:en:Bruce K. Alexander*3によると、

人が依存症に陥るのは、生きる目的を見つけられず、自分自身が破滅しそうな空虚さを必死になって埋める必要がある場合です

とのこと。だから、

個人の回復だけではなく、「社会の回復」を考え始めるべき

だそうだ*4wikipedia:ラットレースを求める社会ではなくwikipedia:ラットパークのような社会にならないとダメだ、ということだそだ。

 wikipedia:スイスにはこんな法律があるんだとか:夜トイレを流すと逮捕・スイス旅行で注意したい法律20選 - Smart Blog オラ、もう今はスイスに行けんじゃん…(ほぼ毎晩夜中にトイレに目が覚めるから) ♪ヨーレローレロヒホー

 ググっても見当たらんが、「禁止の鉄則」というのがあるそうで、例えば禁酒法の時代密造酒はできるだけアルコール度数の高いものが出回ったんだと(濃くても薄くても咎められるリスクが同じなら、経済的にできるだけ濃いものになる、という理屈)。

 あと、wikipedia:ポルトガルでこういう話もあるんだって:ヘロインに揺れたポルトガル、それでも厳罰より治療を選んだ:朝日新聞GLOBE+*5

薬物を使うのは、他に抱えている苦痛による症状でしかない。

 こういうゲームもあるんですか:ゲーム紹介:ピクショナリー / Pictionary - ボードゲーム紹介*6

ポルトガルが選んだ選択肢は、薬物がなくなることはないのだから、一人ひとりがそれぞれに対策―自信や知識、支援ーを立てるようにし、自分自身にとって正しい選択ができるようにするべきだ、という信念*7に基づいている

依存者は犯罪者ではなく要支援者だ、という考えが底にあるんだとか。

 こういう人も:wikipedia:ティモシー・リアリー*8

私たちを不安にさせるのは薬物を使うことではなくて、薬物を使った結果としてもたらされるかもしれない害なのである

 

処罰ー蔑み、閉じ込め、失業―こそが依存症から脱却できない理由

 こんな本も:ドラッグと分断社会アメリカ 神経科学者が語る「依存」の構造*9

もし薬物が合法化されれば、薬物が持つ化学的誘惑物質にさらされる人が多少は増えるだろう―それでも、孤独とトラウマというそれ以上に強力な依存症要因を大幅に減らすことはできるはずだ

 こういうのもあるんだと:wikipedia:ラスタファリ運動

 お酒は実は結構危険な薬物になるらしい。ググるとこんな記事:そのお酒の飲み方、大丈夫? 私は危なかった:朝日新聞デジタル

依存症の反対は薬物を使わなずにいることではない。つながることだ。

 wikipedia:ストーンウォールの反乱

 こんな本も:トウキョウ・バイス: アメリカ人記者の警察回り体験記

 巻末には日本語版捕章も。wikipedia:覚醒剤は「パイロットの塩」だったんだと。

 最後には、言われてました…

いったい、日本はいつ、そうした(薬物中毒に苦しむ)人びとを逮捕し警察に送り込むのではなく、支援を提供するようになるのだろうか?

ガイアツがあれば転回は案外早いかもしれない。でもそれがないとなかなか変わらないだろうなぁ…

 

*1:日本だとこれ?wikipedia:ダメ。ゼッタイ。

*2:バーセリズムの英訳|英辞郎 on the WEB カタカナだと何のこっちゃわからんけど、綴りを書いてくれたら意味想像つくね。

*3:wikipedia:ラットパークから

*4:言い換えると?モノを消費することではなく、誰かといることに幸福を見出す社会を作ることができるか、ということだとか。

*5:こういうネタは腐ってもwikipedia:朝日新聞ですな。

*6:訳注もないし、目の悪いオラはピとビを見間違えてググり、訳わかめになってしまったジャマイカ

*7:wikipedia:マターナリズムっていうの?

*8:これ:幻覚剤は役に立つのか - た-くんの狂人日記に出てきた気もするが、記憶の彼方…

*9:面白そうだがこれも400ページ越え…