た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

患者の話は医師にどう聞こえるのか

 はてブこの記事経由だったかなぁ?でもHONZ記事もあったし、そもそも出版社のサイトにこんなのも:『患者の話は医師にどう聞こえるのか』 第1章ウェブ公開 | みすず書房

それ(言葉そのもの)よりも、相手が伝えようとしていることを聞いていなかったことが問題だったのだ。 

 

(医療の技術が進歩しても)医師と患者の単なる言葉によるやりとりが診断の基礎であることに変わりはない。

 wikipedia:モンスターペイシェントも、どういう見方をするか、で「扱いにくい患者」にも「自分で決められる患者」にもなるそうだ。

人は総じて、基本的な能力をそなえた、だがなによりも話を聞いてくれる医師を求めている

 「饒舌で自慢話が好きなアメリカ人遺伝子」

 wikipedia:慢性疼痛は、単に話をすべて吐き出すだけで良くなることもあるんだそうだ。「病は気から」ってこと?でもそういう場合は、そういう気持ちを持つに至った(社会的)状況にも目を向けてあげてほしいね。って、そこまでするのは医療の守備範囲を超える気も…

 医師と患者が診察台に移動するとすべてが変わる。

 [goodle:キャサリン・ド・ヒュイック・ドハーティ]という人が書いてるそうだが、

聞くことによる恵みは治ることによる恵みと同じだ 

 とのこと。

 ググるといろいろあるようだが、こういうのも:google:RIAS(医療コミュニケーション分析システム)

経過が長い慢性疾患では挫折の繰り返しと途絶えることのない欲求不満が続くから、絆をしっかりさせることが必須である 

  (薬に関する)カタカナ語も、いろいろ変わっているようで:アドヒアランスとは | 製薬業界 用語辞典 | Answers(アンサーズ)  そえばオラも、昔はよく薬を飲み忘れたんだ…これは昔書いたかもしらんが、薬がどう効いてるのかよくわからなかったことが一因かなぁ?飲み忘れるとすぐ眠くなる、悪魔の薬リタリンを飲むようになって、薬を飲む習慣が身についた。

 こんなんもあるんだと:糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)について 急性合併症 | 糖尿病専門医が教える糖尿病の症状と予防

 患者が自分のストーリー(物語?)を語るのは、語り手にとっても治療的であり、聞き手にとっても治療的なんだと。オラもある会で自分の話をしてそれなりの評判を得てから、目に見えて良くなった、というのは、周囲の人が認めるところだった。

「癒し」のかなりの部分は患者との間に形づくられた個人的なつながりからきている 

 

研究は個人個人の反応を予測することはできない 

 wikipedia:統計だから?この「広告」に潜む真実を見抜くことができるか? 統計学を学ぶことで見えてくるもの 連載:文系のための統計学教室|ビジネス+IT

  こういう表現もあるんでっか:極端な楽天家│ ポリアンナのよかった探し | Englishに英語 日本でのび太が「ぐうたら族代表」みたいなもんか?実は人生の勝ち組らしいが:実は人生の勝ち組?「のび太」という生きかた | 要約の達人 from flier | ダイヤモンド・オンライン

どれだけ技術が進歩しても医療は 基本的に人間の努力であり…

  ただ、コミュニケーションの改善には努力がほとんどいらない…と言うんだが、この人の会話能力を改善するのには相当の努力が必要だなぁ…という医者も(日本には?)多いような気がする…饒舌で自慢話が好きなアメリカ人遺伝子をお持ちの方々は話が違うんでしょうか? そういうのは音楽で言えば即興演奏のようなものだそうだが。

医師は(医療の)専門家ではあるが、患者のことをよく知っているのは家族(本書では配偶者)

 「最も重要なのは、患者にとっての現実を理解すること」

焦点が細分化され、集中できる時間がかぎられ、ばかばかしいレベルの マルチタスクがあり、うるさいほどテクノロジーの邪魔がはいる時代にあっては、長時間熱心に話を聞いてもらうことは、とてつもない体験だ

  wikipedia:アーネスト・ヘミングウェイの言として紹介されてたのは、これでしょうか:ヘミングウェイの英語の名言・格言集。英文と和訳 | 癒しツアー(10番)

 医者と患者の間じゃなくても、自分が言ったことと相手が聞いたことが違うってことは多いね。「聞くという行為は私たちが持つ複雑この上ない技能のひとつ」だそうだから。「話し手と聞き手の共同作業」とも。だから、「聞き手がストーリーを生き生きしたものにする」んだそうだ。確かに、対談なんかでも聞き手(インタビュアー)が誰か、は重要だもんね。ちょっとググるとこんな記事あった:絶対に成功させたいインタビュー取材の経験から学んだ13のポイントとコツ | 株式会社LIG

 本書に載ってた調査では、患者が主治医の名を覚えていた割合は、たった18%だったんだと。それに比べると看護師の名前を覚えてもらえる割合はかなり上昇するそうだが。でも、オラ、入院中の担当看護師の名前、もう覚えてないや…実家にある日記帳をひっくり返せば見つかるかもしらんが。

 で、患者に覚えておいてほしいことは、要約し、復唱させ、メモさせる、というのがやっぱり王道なんだと。

聞いてもらえると知ることは、信頼と共感を形づくるのに欠かせない要素だ 

  で、アメリカにはこういう弁護士もいるとか:救急車の追っかけ弁護士!? - 海外赴任ガイド

 心電図の見方(心電図・心拍数 | 循環器の検査 | T波・R波についてや、原因について | 健診会 東京メディカルクリニック)なんて、パンピーにはわかりません…

 「弁護士の同道*1をお勧めします…」というのは、弁護士の同席、でも良いと思うが…Google先生は「弁護士 労働」ど変換してくれるが…

 最近はこんなのもあるんでっか:「医療メディエーション」 患者と医師を橋渡し|NIKKEI STYLE

 (アメリカには) こんなんもあるそうだが:ソーリー・ワークス! | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院 そえば「ごめんで済めば警察はいらない」なんて言い回しがあったが、むしろいらなくなるのは弁護士? 一回訴訟されたからといって病院が破滅する訳ではないが、医師個人は破滅しかねないそうだ。

 google:身体診察は診断を確認するためになされていたんだとか。

 wikipedia:ウェンデル・ベリー曰く「医学は応用されるまではwikipedia:精密科学」だとか。何のこっちゃわからんけど。

 wikipedia:ドメスティックバイオレンスに関するデータ*2は、ググって見つけたのとだいたい同じか:DVに関するデータ | 女性への暴力防止 気づこう なくそうDV|尼崎市女性センタートレピエ|ドメスティックバイオレンスに関する統計データ

行動を変えるには、ある程度は不安が必要

「 言葉は解釈されてこそ意味を持つ」

 この記事にはないようだが、こういう婉曲表現も:expireの意味・使い方・読み方|英辞郎 on the WEB

 「マッシュルーム色」って一つに決められないんだが…:マッシュルームは「半生」が美味! よく出回っている品種はホワイトとブラウンの2種 | 三越伊勢丹の食メディア | FOODIE(フーディー) 土気色とは - コトバンクってことだろうけど。で、翼口蓋窩とは何?Weblio辞書はググらんとわからんし…

 wikipedia:メイソン=ディクソン線

 ある詩が言うには、wikipedia:医師国家試験は試験の終わりであり、試練の始まりなんだと。

感情が合理的と見なされたことはない 

 「多くの場合コミュニケーション自体も医療だ」

 潜在連合テスト(IAT)とかいうのもあるんだと。

他者の立場に立つことは、共感の基本要素だ 

 

完璧をきわめるのは不可能だが、それを現状をよしとする言い訳にしてはならない 

 ヱ、だからちゃんと掃除しろってか…ハイ、前向きに善処します。

敬意のこもったふるまいには伝染性がある 

 「よいコミュニケーションはよい医療の基礎」

一般に医者にとって、私の病気は回診の中の一つの事例に過ぎませんが、私にとっては人生の一大事なのです 

癌とたわむれて (メディカル・エッセイ外国文学) からの引用ですが。

言葉は平等の重みをもつようにはつくられていない 

 

愛書家にとって、本を読めなくなることは、おそらく考えうるかぎり最も残酷な罰だろう

 ハイ、私、前回の緊急事態宣言で実感しました…八代将軍吉宗<上> - た-くんの狂人日記

 生身の人間には(本当の意味での)マルチタスクは無理で、考えを切り替えるあいだに正確性が失われるのが普通だ、とのこと。

効率性向上に役立つと謳うが嘘ばかりのテクノロジー 

  結局著者が見出したのは、

医師・患者間のコミュニケーションを正当に評価するべきだ 

 ということだそうで。

 という訳で、どちらかというと医療者向けの記述が多いかなぁ?もっとも、医療は医療者と患者の共同作業*3だから、知っておくことは、患者が自身の命を守る役には立つだろうが。

 

*1:同道(どうどう)の類語・言い換え - 類語辞書 - goo辞書

*2:本書に載ってたのは、当然母集団はアメリカだと思うけど。

*3:がんについての記事だが:がん医療は医療者と患者の共同作業:がんナビ