た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

私はすでに死んでいる

私はすでに死んでいる――ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳

私はすでに死んでいる――ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳

じゃなくて、コタール症候群*1という病気の話。脳のwikipedia:島皮質に障害があると、ある患者のたとえによれば

精神は生きているが脳は死んでいる

との妄想を抱くようになるんだって。
HONZ の記事:『私はすでに死んでいる──ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』 「自己」という感覚を脳はどのように構築しているのか - HONZ
現代ビジネスにも記事あった:「足を切り落としたい…」自ら障害者になることを望む人々の実態(美馬 達哉) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)

脳、身体、精神、自己、社会は、互いに切っても切れない関係にある

昔は、wikipedia:うつ病は「心の風邪」なんて表現してたけど(今でもあるや…例えばPDF)、今や「思った以上に深刻な病い」、と捉えた方が良さそうだ。

「私」とはいったい何で、誰のことなのか?この本全体を貫いているのはそんな疑問だ。何であろうと、誰であろうと、「私」は経験の主体として出現している。

https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61Zp0UIo05L.jpg
なので、「自己」も3つの側面があるそうだ。

  1. 物質的自己:自分あるいは自分のものと見なすすべてのもの
  2. 社会的自己:他者との相互作用に依存する
  3. 精神的自己:ひとりの人間の内的、もしくは主観的存在、心的能力、あるいは心的資質

wikipedia:ラルフ・ワルド・エマーソンが記憶に関して名言を残しているようなんだが、ググってもようわからずorz

ナラティブとは、自分がどういう人間かを他者や自分自身に語るストーリーのこと

だそうだ。
前にも書いたような気はするが、wikipedia:HM (患者)Wikipedia の項目にもなってますね…「忘れえぬ健忘症患者」との表現もあるとか。

アイデンティティーを思い出したり、つくり出したりすること*2は、認知機能のなかでいちばん最後に成熟するところだが、wikipedia:アルツハイマー病になると最初に壊れてしまう

「レミニッセンスバンプ」というのもあるそうだ:心理学用語集

長期記憶は、正確かどうかは二の次にして、「一貫性」を重視する。

「人間に完全な非実体部分はない」そうなんだが、ググっても意味不明orz
この豆知識は大事?wikipedia:アメリカ合衆国の主な都市人口の順位
先天性四肢欠損症(Wikipediaではwikipedia:奇形症候群)の患者もwikipedia:幻肢を経験することがあるそうだ。本書の表現では

この世に出現できなかった手足でさえ、脳は地図にしていたのである

自分の身体とその感覚、また身体の各部分を<所有>することが、自分が自分であるという感覚の基盤になる

エゴ・トンネル――心の科学と「わたし」という謎*3からの孫引きですが。

自己と自己意識が攪乱された複雑な状態がwikipedia:統合失調症*4

という主張もあるそうで。

統合失調症を、あれができない、これがなくなるといった障害だけで語るのではなく、もっと前向きに受け止める(ことをルイス・サス*5は主張している

google:イプサイティというのは、ググってもようわかりませんなぁorz
こんな話もあるとか:統合失調症傾向が高いヒトは自分でくすぐってもくすぐったく感じる!? オラはできないなorz一般に統合失調患者とは共通点が多いんだけど。
wikipedia:離人症というのもありますか。
アデロールという薬は、この記事(WIRED)によるとモダフィニルと並んで名が出てきてるってことは、要はリタリン系のヤクだろうな…君子危うきに近寄らず*6
[読書]自己が心にやってくる、など - たーくんの狂人日記では

身体は自己感覚の屋台骨である

という考えを強く押し出しているそうだが、あんまり記憶にないなぁorzまぁナナメ読みだったようだが。
これは、名前付いてたのか:ジェームズ=ランゲ説(ジェームズ=ランゲせつ)とは - コトバンク(悲しいから泣くのではなく,泣くから悲しい。)
また、「感情は、身体の生理学的状態だけでなく、認知コンテクストにも左右される。」とも。
「自閉」の由来は、やっぱ専門家の書いた文章の方が信頼できるね:「自閉」という言葉の由来と概念の変遷(PDF)

身体の最大の責務が生存であるならば、脳の仕事は(身体と緊密に協力して)生存に適した状態を維持することだろう

本来、コミュニケーションは双方向であるはず

wikipedia:ドッペルゲンガーは(専門用語では)「自己像幻視」ですか。今では酸素不足に陥った登山者も同様の経験をすることが知られているそうだ。
「サーマルグリル錯覚」は、ググるとこの記事ヒット:幻聴・幻覚、ハイになるなど。人間の脳に作用する10の外的刺激 : カラパイア
ふーん、wikipedia:オルダス・ハクスリーもアブナいことしてたんだね…
結びは、

病いは自己そのものだったのだ

とのことでした。
以上、読み切ったのは一昨日だったが、感想書いてるヒマ無く…

*1:wikipedia:症候群の一覧には載ってる。

*2:想起意識と呼ぶ哲学者もいる、とか。

*3:これも図書館にあるから、読んでみたいね。

*4:Wikipedia には書いてあるようだが、かつて「早発痴呆」と呼ばれてたんだってね。そーえばwikipedia:高次脳機能障害もかつて若年痴呆と呼ばれてたはず。

*5:ググっても特定できずorz

*6:でも狂人危うきに吸い寄せられorz