た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

裁判所の正体

裁判所の正体:法服を着た役人たち

裁判所の正体:法服を着た役人たち

商品検索に出てくるけど、絶望の裁判所 (講談社現代新書)(これもある:黒い巨塔 最高裁判所)を著わした元裁判官と、殺人犯はそこにいる (新潮文庫)を著わした(広い意味での)ジャーナリストの対談。どちらも未読のオラは、まずこれらを読んだ方が良いですね。
近代法の原則はwikipedia:推定無罪だけど、日本の裁判ではむしろ推定有罪なんだそうだ(そういう小説やら映画もあるようだが)。
で、wikipedia:法服が嫌いだったwikipedia:瀬木比呂志さんに言わせると、

法服を着ることによって「人間」ではなくなる

んだそうだ。うーん、やっぱ近寄らんとこ。(法律の世界は徹底したリアリズムの出来事だそうだから、物理屋崩れの狂人としては興味はあるんだが、興味で止めといた方が良さげ…)だいたい、日本の裁判所にとって個人は記号に過ぎないそうなんだよね。でも世論の動向には注意してるんだそうだ。
(高等)裁判所の序列もあって、東京>大阪>名古屋>広島>福岡>仙台>札幌 だそうだ(大雑把に言って南高北低?)
政治家の二枚舌は万国共通だそうだ。
日本のマスコミは、何か問題があった時にシステムではなく個人に注目してハイ、終わりにしてしまう(そして忘れる)、という指摘もその通りだと思うな。
裁判で何より重要なのは、「適切・公正な判断」であって、迅速はその次だ、とのこと。
「日本の裁判官は多忙」というのも「神話」だそうだ。
wikipedia:司法取引も、日本では問題が大きそうだ、という話だったけど、もうすぐ導入して一ケ月経つんだね…2018年6月施行の日本型司法取引-メリット・デメリット・課題を解説 | 弁護士法人泉総合法律事務所
wikipedia:ボブ・デュランの言ググると、著者(清水さん)の twitter ヒット:清水 潔 в Twitter: "俺にとっては右派も左派もない あるのは真実か真実でないかということだけ」ボブ・ディラン"
あとこんなのも:wikipedia:スラップ

この刑事司法に、面子にこだわる傾向が極めて強い。そのために…冤罪の対象になった人たちの人権、…あるいは被害者の周囲でこわい思いをした人たちの人権が、軽視されている

そもそも正義、公正って奴は主観的になりやすいですからね。こういう問題もあるし:wikipedia:人質司法

人間は、自分の思い通りに動く奴隷的な人間を、必ず軽蔑するものです。

日本の組織では、人事と経理が力を持っているそうだ。これが、近年日本の企業が弱くなった一因とのこと。
あと、wikipedia:法務大臣ってなり手が少ないらしい。
wikipedia:判検交流
こんなのもあるそうだがwikipedia:裁判官会議*1、形骸化してるんだとか:調停・裁判など民事紛争の解決手続き - 弁護士ドットコム
裁判所も国の権力を忖度しているんだと。また、最高裁判所は「憲法の番人」と言われるが、むしろ「権力の番人」だそうだ。
ま、だから、「裁判が正義を実現してくれる」という幻想を持つのは止めにした方が良さそうで。「君子危うきに近寄らず」*2
書きもれもありそうだが、んなとこ。一応明日が貸出期限なんで…
あ、そえばこれってどうなったのかなぁ?wikipedia:恵庭OL殺人事件

*1:本書では、大学の教授会みたいなもの、と説明されていてわかりやすかった。

*2:オラはむしろ、狂人危うきに引き寄せられorz