た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

予期せぬ瞬間

予期せぬ瞬間

予期せぬ瞬間

HONZの記事:『予期せぬ瞬間 医療の不完全さは乗り越えられるか』 医者と医療にまつわる不完全と不可解と不確実 - HONZ
記事にある医師は最善を尽くしているか――医療現場の常識を変えた11のエピソードは図書館でチラ見して、なかなか面白そうだった。次借りる本は、これか医師の感情: 「平静の心」がゆれるときだな。
ま、説明があったから良いんだけど、喘鳴(ぜんめい) | 健康長寿ネットは難しいね…

医学は不完全な科学だ。

そえばこんな本もあったなぁ(日本の、だけど)。[読書]医学は科学ではない - たーくんの狂人日記
本書で紹介されていた外科医の格言は「決して迷うな」だそうだ。でも、練習台は(生身の)人間なんだけどね…

集団としての外科医は、奇妙な平等主義を信奉している。彼らが信じているのは実践であって才能ではない。

技術は教えられるが、粘り強さは教えられない。

選択の自由がすべての人に与えられないのであれば、最初からそんなものはない方がましなのである。

重要なことは、悪い医者が患者を傷つけるのをいかに防ぐかではなく、良い医者が患者を傷つけるのをいかに防ぐかなのである

人が犯したミスは刑罰によって抑止できるものではない。…(でも)ミスが起こるにはそれなりの原因がある。

なんか、[読書]ヒューマンエラーは裁けるか - たーくんの狂人日記の話を思い出すなぁ。
ジェームズ・リーズン(wikipedia:ヒューマンエラーからフランス語版へのリンクはある)が

失敗はただ起こるのではなく波及する

と言ってるそうだ。

どんな方法をとるにしても、医者はつまずくことがある訳だから、医者に完璧を望むのはお門違いなのだ。それよりむしろ、完璧を目指すことを決してあきらめないことを期待してもらいたい。

パンピーとしては、そういう医者とそうでない医者の(短時間*1での)見分け方のコツを知りたいところだね。
wikipedia:ローレンス・ジョナサン・コーエン曰く、

カンファレンスや学会は学術的な会合ではなく、単なるお祭り騒ぎ、つまり「各専門分野の政治的思惑、学問上の境界線を見せつけようとする儀式、男女の出会い、観光、商売、個人間あるいは国家間のライバル心、専門家同士のつながり、まったく的外れな講演など、さまざまな要因により、学究的な目的を果たすことが不可能になった大がかりな催し」

と評したそうだ。何となくわかるなorz
(たぶん)wikipedia:アポフェニアのことをテキサスの名ガンマンの誤謬と呼んでた。「ギャンブラーの誤謬」の方がなじみがあるなぁ、と思ったが、グーグル先生曰くそういう呼び方もあるようだ(「思考のトラップ」 アウトプット | 札幌の集客専門家が運営する 石田宏実.com)。

痛みには物語がある。

wikipedia:吐き気wikipedia:嘔吐は別物なんだそうだ。実際、吐き気なしの嘔吐もあるし、吐き気があるからといって必ず嘔吐を伴う、というものでもない。

医者は、痛みや苦しみを症状としてしか考えず、病名と治療法にばかり気を取られている

wikipedia:バイタルサインは、Wikipedia に説明があるから、デジタル書き抜きは止めとこ。
wikipedia:マーク・トウェインはこう書いてるそうだ。

赤面する動物は人間だけだ。あるいは、それを必要とするのも。

外科手術は血なまぐさいものだが、解剖にはさらにぞっとする雰囲気がある。

だからという訳ではないだろうけど、最近は減ってるらしいね:病理解剖:30年で7割減少 医師多忙、医療の質低下懸念 - 毎日新聞
こんなことも言われているそうだ。

一人のSID(wikipedia:乳幼児突然死症候群)は悲劇だ。二人はミステリーだ。三人は殺人である。

もちろん、無条件にそう言えるわけでもないようだが。
今日日は何でも患者のwikipedia:自己決定権とやらが重宝されてるが、ミシガン大学の法医学教授のカール・シュナイダー氏は

病人には良い選択はできない

との研究結果をまとめているそうだ。で、大事なのはwikipedia:パターナリズムではなく思いやり、だそうだ。
こんな諺もあるそうだ:「ひづめの音が聞こえたら、シマウマではなく馬を捜せ」 : 「脳‐身体‐心」の治療室

治療にあたって私たちが当てにできるのは可能性と確率だけなのだ。

最後のエピソードの締めくくりは、

しかし、努力は報われる。いつもではないが、十分満足できる頻度で。

という話でした。ま、世の中そう信じないとならんのだろうが、最後の一回で JOKER を引いた敗残者としては、拍手はできないなぁorz
ちなみにオラは(当然?)家の近くの図書館から借りてきたんだけど、検索してみたら市の中央図書館にもあった。予約数 25 だけど(≒今予約しても、順番回ってくるの(早くて)来年かも)…

*1:病院での診察時間は、一般に長くはないから。