た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

人はこうして食べるを学ぶ

ここで見かけたのを、無事発掘・読破。
東京新聞書評:http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2017050702000208.html

人はこうして「食べる」を学ぶ

人はこうして「食べる」を学ぶ

今はgoogle:消費者科学なんてー言葉もあるんだね。本書では

消費者の行動と思考を評価・分析する科学。企業の調査とは一線を画し、消費者保護や健康維持増進なども目的とする

と説明されていた。で、この消費者科学者によると、

新製品のキャッチフレーズを「健康によい」にすると、「新しい」とするときよりも売り上げが大幅に落ちる

そうだ。うーん…

問題の本質は、健康と幸福につながるような食べ方を身につけてこなかったことにある

食に関する指針を一言でまとめると、

本物の食品を好きになろう。満足感を求めるな。野菜を味わえ

だそうだ。わかっちゃいるけど…
ハンガリーでは、子供に「食べると口笛が吹けるようになる」と言ってニンジンを食べさせるんだそうだ。オラ、ニンジンは難なく食べられるけど口笛は吹けないやorz
飽食の時代、「残さず食べる」は時代遅れだとか。ま、いいよ。他人には押し付けないから。そう言われても、オラは残さず食べる。貧乏狂人だし。
で、本書で主張されていたことは、「味覚も食習慣も(学習によって)変えられる」ということで、したがってオラの生卵嫌いも、きっかけ*1があれば変えられるだろう、とは思う。でもまぁそんなに困ってないし(せいぜい、旅館・ホテルの朝食の時に困る程度)。

悪しき食習慣が変わるのは、「健康的な食物」がなんらかのお楽しみになった場合だけなのである。それが強制されるものなら、おいしく感じられる日は永遠に来ない。

欲求は喜びをしのぐ

で、(食の)好みは遺伝より環境だ、とのこと。大人になってからでも変えられるそうだ。
これ:美味しさの脳科学 - たーくんの狂人日記で出てきた「レトロネイザル」には「後鼻腔(経路)」という訳語を当ててて、僕は好感を持った。
オラ子供いないからわからんけど、

本来ならば“子供は親が与えるものを食べる”べきなのですが(中略)われわれのクリニックで遭遇するのは、“子供が食べるものを親が与える”なのです

この時、無理強いするのは禁物のようで、(大人になって)嫌いな食べ物というのは、たいてい無理強いされた経験があるんだとか。そーえばオラの生卵嫌いも、運動会の前に「食べると力がわく」とか何とか言われて無理やり食べさせられたことがあったような気がする*2
こんな言葉もあるそうで:「含飴弄孫」(がんいろうそん)の意味
デザートを食べるのが食事の最後なのはいろいろ理由もある(知ってた? デザートを先に食べてはいけない理由 - NAVER まとめ)ようだが、(完食できた)「ごほうび」と思えば良い、とのこと。
こんなのもあるそうで:BLWで離乳食が変わる?そのメリットとデメリットについて | 東京ガス ウチコト
親の役目は「見守る」ことだそうだ。

双子でも平等には生まれてこない

一人っ子がわがままだ、とかいうのは俗説だが、肥満の傾向が強いそうだ。中国はそういうイメージ?
こんなのも:

嗅覚の神経細胞は、常に再生しているんだそうだ:鋤鼻嗅覚神経細胞の発生と再生
辛み、っちゅーのは痛覚で感じてるそうだから(味覚ではなく痛覚で感じる? 不思議な辛み [食と健康] All About)、本書では「無害なwikipedia:マゾヒズム」と表現していた。スゴい喩えだね…
で、まとめとしては、本書の邦題にもあるように、食べること(そして(子どもの親にとっては)食べさせること)は学ぶことでもあるので、きちんと学んでゆきましょう、ということでした。

続いてもう一冊。

*1:恋と旅は良いチャンスらしいが。

*2:例によって確認できないがorz