た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

人間と機械のあいだ

人間と機械のあいだ 心はどこにあるのか

人間と機械のあいだ 心はどこにあるのか

新着本でwikipedia:石黒浩マッドサイエンティスト)の名が目に留まり、借りて読んでみたんだけど、共著者のwikipedia:池上高志の文もなかなか面白かった。検索してみたら、著書も何冊か図書館にある。石黒氏がトップダウンのアプローチなら、池上氏はボトムアップのアプローチだそうだ。
「記憶」を

自己以外のものが「ある」という客観性(とわれわれが信じているもの)…

と定義するなら、

記憶するとは時間を消す、ということでもある

との見方もあった。やっぱりwikipedia:マッドサイエンティスト
で、そのマッドサイエンティストによると、

脳内モデルと現実がそぐわない人を妄想癖の強い人という

そうだ。アナタも、オラも?そのうち意識をダウンロードできるようになるかも、とか言ってるし(人間の意識を他人の肉体に移し替えることはできるのか? - GIGAZINE)。アンサイクロペディアでは、こうなってる:http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E5%A6%84%E6%83%B3%E7%99%96 wikipedia:マトリックス (映画)の世界?

人間は二通りの方法で進化している。一つは遺伝子、もう一つが技術による進化である。

こんなのもいたそうだ。:wikipedia:オートマタ
でも石黒氏に言わせると、

wikipedia:チューリング・テストが前提としているもの自体、古くさいと思うのである。

そうだ。
あら?*1オラはポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるときは未読でしたか。読んだ気がしてたのは、気のせいでしたか。同著では、シンギュラリティ(wikipedia:技術的特異点)を

われわれの生物としての思考と存在が、みずからの作りだしたテクノロジーと融合する理解点であり、その世界は、依然として人間的ではあっても生物としての基盤を超越している。特異点以後の世界では、人間と機械、物理的な現実とヴァーチャル・リアリティとの間には、区別が存在しない。

と定義しているそうだ。
http://bkmkn.s3-website-ap-northeast-1.amazonaws.com/9784061765184/9784061765184_w.jpg

もしかしたら互いに愛するということは、そういうこと(意図や欲求の共有)かもしれない。

「心」とは社会的相互作用に宿る主観的な現象だということになる

言葉が先にある。話をするから意識が生まれる。

だから、言語は社会性を伴ったもので、三人以上いないと生まれないそうだ。
計算は概念で、触ることはできないが具現化することはできるんだそうだ。確かにそうか。
ロボットの「個性」か「機械の仕様」かは、見る側が勝手に区別しているんだそうだ。

「心」はいわば複雑な人間の脳活動(意識)を外から観察したものである。

そのちょっと前では、「社会的相互作用に宿る主観的な現象なのかもしれない」とも。

技術開発の目的は、脳を身体的な制約から解き放つことである

そうだ。んー、やっぱりwikipedia:マッドサイエンティスト
すると、こういう話も出てくるそうだ。:ロボットに「人権」を与えるべきなのか? その時に考えなければならないことは? | ロボスタ 狂人としては、その前に社会的弱者の人権やろ、とは思うんだが。 でもこの話を読んでたら、確かwikipedia:火の鳥 (漫画)*2に出てきた「神ヨ、ロビタヲ救イタマエ」のセリフが頭に浮かんだ。
こんなのもいたそうだ。

オルタ(alter)には

  • アンドロイドの内的変化、変革 (alter)
  • 第二の自己 (alter ego)
  • もう一つの表現方法、もう一つの生命のかたち (alternative)

のさまざまな意味が込められているそうだ。
科学者は大体ミニマリストだそうだ。というか、面倒くさがり、と言う方が実態に近い?
そうやって対話を重ねてゆくと、人間は想像する生き物、というのが一つの結論のようで。ググっても石黒先生のツイートがヒットする。
デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)とかいうのもあるそうで:浮かび上がる脳の陰の活動 | 日経サイエンス
でもそうやって工学的な発想で「生命とは何か」という問いに迫ってゆくと、

生命の複雑さというのは、有限の時間のなかで見えてくる、開かれた状態空間のなかに生まれる流れの澱のようなものであり…

ということになるそうだ(別な個所では「自動化された自己維持システム」とも)。僕には、wikipedia:福岡伸一が(生物学から迫ってたどり着いた?)「動的平衡」という言葉の方がピンと来るなぁ(突き詰めると同じことか、という気もするが)。あと生命の3つの要素は、

  1. 自己維持
  2. 自己複製
  3. 自己修復

だそうで。でも結局は化学反応のかたまり、とか言ってる辺りは、神をも恐れぬ、とでも言おうか…天罰下っても知〜らないっと。
wikipedia:意識の統合情報理論なんてーのもあるそうだ。って、意識はいつ生まれるのか - たーくんの狂人日記に出てきたらしい。記憶薄いorz
複雑系のメッセージは「分かること=作ること」で、ジグゾーパズルみたいなものだそうだ。
こんな絵もあるそうだ。:マルセル・デュシャン、大ガラス
こんな話もあるが:wikipedia:収穫加速の法則、これに対して人間の予測は「線形」にとどまるんだそうだ。確かにそうか。
wikipedia:アラン・チューリング*3の名を冠した語にはwikipedia:チューリングマシンwikipedia:チューリング・パターンwikipedia:チューリング・テストとあるけど、こんなのもあるんだって。:wikipedia:停止性問題
で最後には、

時間を消去することが記憶であり、その記憶の維持が意識なのであれば、その時、機械は意識性を帯びるのかもしれない

とのことで、やっぱりこうなりましたorz
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誰か、考えすぎだよ、って言ってあげてよ。

*1:と言っても魚の粗じゃないですよ〜、というのは某予備校教師の口癖。

*2:確か文庫版は持ってたな、と思って奥の部屋の本棚探したけど、見当たらずorz

*3:複雑系のヒーローだそうだ。