災害ユートピア――なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)
- 作者: レベッカ・ソルニット,高月園子
- 出版社/メーカー: 亜紀書房
- 発売日: 2010/12/17
- メディア: 単行本
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でもね、途中何度か翻訳が?ってとこもあったし*1、原著者が言葉の問題からアジアの事象を扱わなかったのは仕方ないとはいえ、それなら日本の災害社会学者に一筆お願いして日本の現状を分析してもらう、などしてほしかったなぁ。ま、本書の出版はwikipedia:東日本大震災の前ですから、当時そんな重責を担える学者がいたかどうかはわかりませんが。とりあえず今ググってみたら、こんな一文を書いてる学者はいた
本書で何度か出てきた概念は"エリートパニック"という現象で、一般にはwikipedia:関東大震災の時に朝鮮人が暴動を起こした、というデマが流れて社会は混乱した、などと思われているけど、そういう風に一般大衆がパニックを起こすことはむしろまれで、指導者などのエリートこそがパニックを起こすんだそうだ。もっともこの件については、ググってみたらこんな記事もあったし、評価は定まってないみたいだけど。ただ著者の主張としては、
なんだそうだ。
ちょうどつい最近wikipedia:2014年の御嶽山噴火があって、この時の自衛隊の出動に関して賛否両論があるようだけど、本書で言及しててなるほど、と思ったのは、徴兵制を敷くくらいなら災害救助の部隊を常設してそれへの参加を義務付ける方が良いのでは、という話でした。災害救助は、ある意味自然との闘いとも言える訳だし。どうせ、軍備が高度化した現代社会では徴兵制の軍隊は大して役に立たないらしいんだよね(昔読んだ新聞記事にあった。ソースは覚えてないorz)。また、徴兵制を敷いてる韓国でも、wikipedia:兵役逃れが社会問題になってるし。
*1:まぁ私はカタカナ英語嫌いの狂人ですが。