た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

シビリアンの戦争

シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき

シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき

例によってはてブで、こちらの記事から、図書館で発掘。
近年の戦争では、シビリアン*1の側が戦争に消極的な軍を攻撃的な戦争に追い込むという構図が見られるそうで、四つの事例

  1. 英のクリミア戦争*2
  2. イスラエルの第一次・第二次レバノン戦争*3
  3. 英のフォークランド戦争
  4. 米のイラク戦争

を取り上げて、シビリアンが軍を戦争に追い込んでいく様を描いています。
でも、

シビリアンコントロールだからこそ、軍の理性的判断による戦争反対が際だつのだ。

と言っておきながら、徴兵制の復活を提唱するあたりの主張には、ちょっと同意できなかった。だいたい、(昔のように引き金を引けば鉄砲の弾が飛んでいった時代とは違って)兵器も高度に発達した現代の戦争では、新たに徴兵制を実施するのはもはや実行不可能非現実的らしいんだよね(参考:wikipedia:徴兵制度)。
あと、本書を一冊の書籍としてみるなら、読者の対象が不明確。参考文献や注があるのは評価したいが、索引はないし、その割に略語表*4があったりと、どのような読者を想定してるのかよくわかんない。ま、図書館で借りて読む分にはどっちでも良いんだけどさ。

*1:いわゆる文民、ですね。

*2:筆者によれば、これがシビリアンの戦争の嚆矢(こうし)だそうだ。

*3:正直に告白しますと、ここはよく知らないので読み飛ばしましたorz

*4:これは、僕のような素人には大いに役に立つけど、専門家には要らないよね。