ヒトはなぜ難産なのか――お産からみる人類進化 (岩波科学ライブラリー)
- 作者: 奈良貴史
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2012/09/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「はじめに」では、いきなり寛骨やら仙骨やらの専門用語が並び、くじけそうになったけど。あとで詳しい説明も出てくるし、初出時に一言「wikipedia:骨盤の一部」とか書いてくれたらくじけなくて済むのに。
でも確かに、ニホンザルなんかも特に難産な様子は観察されなくて(↓こんな感じ)、
「お、出てきたか。」という感じですね。それに対して人間は、「産みの苦しみ」という言葉に象徴されるように、非常に苦しい訳です。オラは男だし経験できない(から、語らない方が良いのかもしれない)けど、時間も平均15時間かかるし、マックギル疼痛質問票というのを使った研究によれば、
出産時の陣痛は、骨折
痔時の痛みより強く、指を切断時の痛みには及ばないが、近いものである
そうだ。
というわけで、表題の問いに対しては、大ざっぱには「頭が大きいから。」なんだけど、それに付け加えていろいろな知識を授けてくれます。
日本では男性のwikipedia:助産師(産爺?)はいないけど、江戸時代や明治〜昭和にかけては男性産婆がいたそうだ。
最後の方で語られていた、
100%の帝王切開に依存するのは、…進化の袋小路に迷い込むことになりかねない。
という文章が心に残った。