た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

誰か死ぬのを手伝って

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まぁ、約十年=一昔前の古い本ですが。
わかりやすく言えば、病気の苦痛に耐えきれず安楽死を選んだ「闘う障害者」ジャン=マリ・ロランさんの自伝ですな。彼の場合、ほっとくと窒息死の危険もあって、「自分の運命を自分でコントロールしたい」*1という本人の思いもあり、

窒息死か尊厳死

というある種究極の選択の結果として安楽死を選んだのであって、彼の選択を安易に他の人にも適用することは憚*2られるとは思うのですが。
とは言っても、本書中で述べられているように、

耐え難いとわかっている精神的・肉体的苦痛を他の人に強いる

のは道徳的、とは言えませんよね。だから、彼の選択はそれはそれとして尊重されるべきものだった、とは思います。
でも、訳者あとがきで紹介されていたように、この書名の問いかけ「誰か死ぬのを手伝って」の裏には、「生きるのを手伝って」という叫びが隠れていたのではないか、という示唆*3が深く心に残りました。

*1:こういう思いには、西洋圏(キリスト教圏)の思い上がりも少し感じられる、のはオラも一応東洋人の証拠か?

*2:はばか

*3:どこかのサイト(非日本語)に一般人が投稿したらしい。