英国式事件報道 - た－くんの狂人日記

日本の共同通信の記者である筆者が、事件報道のあり方について論じています。まぁ僕のはてなIDを見ればおわかりのように*1、僕は何でも匿名にすれば良い、という近ごろの社会*2の動きには何か疑問が残るんで、こういう本に手を出したのですが、本書中でも、（映画監督の想田和弘氏の言葉を引用して、）

（匿名や）モザイクは、表向きは（対象となる）患者を守っているが、実は実は自分（制作者）を守っている。

と指摘しています。
最後に、あとがきに代えて、「スローなジャーナリズム」*3が実現できたら良い、と主張していたのが印象的でした。

*1:まぁ、これははてなを始めた頃はあまり考えていなかった、ということも大いにありますが。つまり、今登録するなら違うIDを考えるだろうなぁ、ということ。

*2:この単語は、もともと英語のsocietyの訳語として定着したものですが、福沢諭吉は初め「人間交際」と表現していたんだそうだ。

*3:第一報の速さにはこだわらないけど、その代わりに「深さ」を追求することが求められるでしょう。本来（放送ではなく）活字媒体の新聞・雑誌が担うべき役割でしょうけど(ry