た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

交通事故はなぜなくならないか

交通事故はなぜなくならないか―リスク行動の心理学

交通事故はなぜなくならないか―リスク行動の心理学

邦題は例によって超訳です。本書が紹介している「リスク・ホメオスタシス理論」は、交通事故以外にも例えば労働災害なんかにも応用できるらしい。原題は、"Target Risk 2"「2」ってことは、「1」もあったわけで、著者のジェラルド・J・S・ワイルド氏は1994年に『ターゲット・リスク』を出版し、それを改訂した『ターゲット・リスク2−安全と健康の新しい心理学』を2001年に出版したそうです。もとの"Target Risk"というのは、リスク目標のことだそうだ。
(僕が理解した範囲では)要するに、道幅を広げたり新しい道を造ったりしても、しばらくするとその恩恵は薄れてしまい、事故の起きる確率は元に戻ってしまうらしい。だから、そういうハード面での対策を急ぐより、人びとの安全に対する意識を向上させ、技術面での改良を本当に人の安全のために役立たせるようにしてゆくことが(悲惨な交通事故を減らすためには)必要になるらしい。ちなみに、交通取り締まりを強化する、なんてーのもハード面の改良と同じ。(厳罰化も同様に無意味。逆に、無事故無違反の報償を増やす*1のは、効果が高いらしい。)
なんてオラがグタグタ書くより、訳者あとがきがあった。→Œð’ÊŽ–ŒÌ‚Í‚È‚º‚È‚­‚È‚ç‚È‚¢‚©`–óŽÒ‚É‚æ‚é‰ðà‚Æ‚ ‚Æ‚ª‚«
この訳者あとがきの最後に書いてあるけど、「未来に希望が持てる社会の実現こそが、抜本的な対策であろう。」と結ばれていたのが印象的でしたね。

*1:例えば、ゴールドカード制度の導入とか。