た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

数学者の無神論

数学者の無神論―神は本当にいるのか

数学者の無神論―神は本当にいるのか

訳者あとがきがよくまとまっている。ちょっと引用(要は手抜き)。

著者のパウロスは、アメリカのテンプル大学で数学の教授を務めながら、ユーモアから時事問題、あるいは投資にまで及ぶ社会の様々なことを、数学者として読み解く文章をものするライターである。

という訳で、本書は、人気数学者による無神論、というか、訳者あとがきにも見られるように、「神は実在する」という主張を個々に撃破しています。
ま、オラも昔は「信じるものは救われる」から宗教は必要だろう、と思ってたけど、本書を読んで少し考えが変わった。というか、仮に宗教(的なもの)がある種の思考停止なのなら、そういう思考停止は極めてよろしくない。
ただまぁこういう宗教の話は、日本語の語彙には適切な訳がないことが多い、という事情はわかるけど、超訳した語に片仮名でルビを振るのはなんとかならんかなぁ。片仮名で振るくらいなら、英語のつづりを書いてくれた方がこっちとしては助かるんだけど(辞書で調べたりするのに、つづりを確認しなくて良い。インターネット時代、辞書を引くのは大した手間ではないし)。
また、せっかく索引があったのに、調べようとした単語が索引語になかったりするのは悲しかった。*1
でも、こういう無神論の話というと、そもそも宗教を持たない人が多い日本では関係ないかな、と思う人も多いと想うけど、訳者あとがきで重要なことが語られていました。曰く、「神」を「超常現象」と置き換えれば、これを信じる人は日本にもたくさんいますよね。信じた方が面白い、とか言って。それはまぁ信心の問題だから良いとしても、それを他人に押しつけるとなると大いに問題がある訳ですな。
ま、日本の数学者でも、本書と同じような本が書ける人がいたらいいな、と思った。wikipedia:森毅さんなんかはその資質ありそうだったけど、鬼籍に入っちゃったからなぁorz

*1:やっぱり、オラが疑問に思うところって、普通の人とずれてるのかな?