た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

脳から心の地図を読む

『脳から心の地図を読む』 ――精神の病いを克服するために

『脳から心の地図を読む』 ――精神の病いを克服するために

今日最初に書こうと思ったのは、こっちの方です。一言で評するなら、脳科学の精神医学への応用とその成果について述べてます(とでもまとめれば良いでしょうか?)まぁ本書は、英語の原著は2001年の本ですから、脳科学の関連書で一昔前、ってちと古過ぎでないかい?という気はしないでもありませんが、過度の心身二元論にとらわれることを戒める本書の主張は、それを補ってあまりあるでしょう。ま、だからこそ原著が出た三年後も後に日本語版を出しても意味がある、と判断されたのでしょうが。
筆者は、大学院で英文学を専攻した後に精神医学を修めた方だそうで(wikipedia:ナンシー・C・アンドレアセン)、章立てや文体にはシェイクスピアを題材にしたものが多く組み込まれているんだそうですが、まぁ翻訳書ではそういう雰囲気がよくわからないのはまぁ仕方ないでしょう。*1
それは良いんだけど、索引を含めると500ページ近い大著は、さすがに読み終えるのが一苦労でした。それでも最後まで読み切らせるだけの面白さはある、と言えましょう。
(本書が出版された)6年前なら、こころの病を抱えた方、家族は(オラも含めて)ぜひ一家に一冊どうぞ、と言えたんだろうけど、6年前だからなぁ…(例えば、SSRIは本書の後半でよく出てきて、魔法の薬のようにも思えるんだけど、実際にはそれほどでもないと思う。)

*1:いや、オラにシェイクスピアの知識がないことが問題なのかも…