た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

日本語は亡びない

日本語は亡びない (ちくま新書)

日本語は亡びない (ちくま新書)

というわけで、先日に引き続きこちらも読んでしまいました。
本書は、冒頭で「日本語は亡びる」というイデオロギーを明確に否定しつつ、後半では豊穣*1な日本語の世界を二人のみゆき(宮部みゆき中島みゆき)を通して紹介しています。
日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で - はてなキーワードは、出版されたときには一大ブームを巻き起こしたけど、小飼 弾氏をして「完美に論破された。」と語らしめたように、まぁその程度の(新書で論破される程度の)内容だった、ということでしょうね。しかしまぁ、自腹を切って買ったのはこっちだけ、っちゅーのが、オラの貧乏根性。もっとも、これも水村氏の著作もどっちも出版社は筑摩書房だから、結局儲かるのは筑摩でめでたし、めでたし(?)なんだけどね。
まぁでも、最後の方で、水村の文章を引用して、

日本人を日本人たらしめているのは、日本の国家でもなく、日本人の血でもなく、日本語なのである。

こう言い切る水村に、私は立ち上がって拍手を送りたい。

とあるように、結局回り回って元の鞘に収まっているような気もする。まぁいいや。

*1:ほうじょう