- 作者: 金谷武洋
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/03/10
- メディア: 新書
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本書は、冒頭で「日本語は亡びる」というイデオロギーを明確に否定しつつ、後半では豊穣*1な日本語の世界を二人のみゆき(宮部みゆきと中島みゆき)を通して紹介しています。
日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で - はてなキーワードは、出版されたときには一大ブームを巻き起こしたけど、小飼 弾氏をして「完美に論破された。」と語らしめたように、まぁその程度の(新書で論破される程度の)内容だった、ということでしょうね。しかしまぁ、自腹を切って買ったのはこっちだけ、っちゅーのが、オラの貧乏根性。もっとも、これも水村氏の著作もどっちも出版社は筑摩書房だから、結局儲かるのは筑摩でめでたし、めでたし(?)なんだけどね。
まぁでも、最後の方で、水村の文章を引用して、
日本人を日本人たらしめているのは、日本の国家でもなく、日本人の血でもなく、日本語なのである。
こう言い切る水村に、私は立ち上がって拍手を送りたい。
とあるように、結局回り回って元の鞘に収まっているような気もする。まぁいいや。
*1:ほうじょう