た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本

精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本

精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本

この正月の間は、このようなちょっと重たい本を読んでました。本書は、精神医療に関わる方には是非ともお薦めしたいし、また一般向けにも構成を改めて(現実的には、はじめの方の易しい章を抜粋するのが無難かな?)岩波新書or岩波文庫に収録され、広く読まれるようになると僕はうれしい。その価値が十分にある本だと思います。
世界的には、精神医療の世界では脱・施設化が進んでいるのですが、そんな中で日本は歴史的な経緯もあり相変わらず精神病院のベッドを増やし続け、今も高止まりの状態です。本書には、そんな日本の現状に一石を投じたい、という筆者の思いが結実しています。
筆者は以前朝日新聞
ルポ・精神病棟 (朝日文庫 お 2-1)

ルポ・精神病棟 (朝日文庫 お 2-1)

という記事を連載していたそうで、本書は言わばその解決編ということになっていますが、だからといってこのルポ・精神病棟を読んでいる必要はありません。本書だけで十分日本の精神医療の問題点もちゃんとわかります。
オイラは別に精神を病んでないから関係ないや、とつぶやいているそこのアナタ、年をとって痴呆症認知症になったらどうするんですか?そのときになって考えるのでは遅すぎますよ!*1

ちなみに、朝日新聞によるレビュー・書評はこちら。著者からのメッセージ・目次などはこちら

*1:こういう小難しい本を最後まで読む知力が失われているかもしれない。というか、その可能性が大きい。