た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

22世紀から回顧する21世紀全史

22世紀から回顧する21世紀全史

22世紀から回顧する21世紀全史

先週、読みかけの本を返してまで借りてきた本というのは、これです。
タイトルからして、そそるじゃないですか。(と思うのは、オラだけかなぁ?)
本書は、歴史書の体裁をとって、22世紀から見た21世紀を回顧しているのですが、各章は独立していて、どこからでも読めるでしょう(とは言っても、さすがに最後の「おわりに」は最後に読まないと訳わかんないでしょうが。)。詳しい内容は、Amazon の目次でも見てもらえば良いのですが、バイオ、核、仮想空間など、6つのテーマを扱っていて、それらが実現された時の世界の様子を描いています(とでも言えばいいかな?)。順番が、核より先にバイオが来るあたりは、やっぱり今はそういう時代だよなぁ、と思うのですが、僕が一番衝撃を受けたのは、なんといってもやっぱり「核の惨劇」の章です。これは、バイオはその危険性が何だか詳しくはよくわからない、というのもあるんだろうけど、やっぱり核兵器は何であろうと根本から全てをなぎ払ってしまう、というところにその恐ろしさがあるのではないか、と思います。ただ、核の惨劇にはいわゆるwikipedia:核の冬というのもあったはずで、そのことが語られていなかったのはちょっと残念だった。逆に言うと、本当に核の応酬が起きてしまった場合、事態はここで語られている以上のことが起きてしまうであろう、ということでもありますね。クワバラ、クワバラ…
こちらの方は、SFではなく小説だ、と言っておられますが、僕はやっぱりSF(Scientifical Fiction)の範疇に入れても良いと思うのです。そらまぁ、日本で一般的に売られているSFとは趣が異なりますけど。
まぁ、もう6年前の小説ではありますが、それほど古さは感じられません。読み応えある、面白い作品だと思います。
【追記】
あと、本書中で何度か語られていたのは、中国の勃興と日本の没落ですね。さもありなん。