た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

Googleとの闘い

Googleとの闘い―文化の多様性を守るために

Googleとの闘い―文化の多様性を守るために

インターネットの世界で、「神」のような扱いを受けるGoogleですが、

我々は神の視点に導かれた的確な情報を探し当てているだろうか
(訳者解説より)

というのが原著者ジャン・ノエル・ジャンヌネー氏の疑問の出発点で、

検索エンジンのもつ文化的影響を整理することによって、その問題点を指摘し対応すべき行動を訴えて(訳者あとがきより)

います。ジャンヌネー氏は元フランス国立図書館長で*1Google ブックス*2の出現に衝撃を受け、それに対抗する一手を打ち出した、ということでしょうかね?
原著は英語、ドイツ語、アラビア語、中国語、イタリア語、スペイン語にも翻訳されたんだそうです。まぁ、2年前の本ですけど、興味のある人にとっては(今でも)読み応えはあると思います。

本書を読んでて、そうえば映画の分野でもアメリカとフランスは仲悪かったなぁというのを思い出しました。フランスは、そういう文化的なものに対する侵略には敏感ですよね。日本も、大いに見習うべきだと思うんだけどな。確かに、日本語は文の構造も印欧語や中国語とも違うし、GoogleよりもYahoo!がシェアトップを死守しているようだけど、Googleの大波をいつまで耐えていられるもんか疑問に思う。

*1:日本で言えば、国立国会図書館みたいなもんかな?と思ったら、9月に来日されて公演講演されたようです。

*2:昔(発表当初)は、Google Print といったらしい。その看板を掛け替えている辺りからは、著者の主張の正しさが伺える。