た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

中流社会を捨てた国

中流社会を捨てた国―格差先進国イギリスの教訓

中流社会を捨てた国―格差先進国イギリスの教訓

表題にある、「中流社会を捨てた国」とはイギリスのことで、

本書は富裕層の実態にも切り込み、格差拡大と階層の固定化に苦しむイギリスの現状をより多角的に描いている。(訳者あとがきより)

という訳で、日本の手本となるであろうイギリスの実態を描いています。まぁ、あとがきなんかを見ると、本当は総選挙の投票日に間に合うように作られたようだけど、間に合わなかったようで。
で、この本は、政治家やそれを目指す人にこそ読んでほしいなぁ、と思って読んでいたんだけど、この↓
ブコメを眺めた感じでは、そうではない一般の有権者にも大いに読まれてしかるべき書でしょう(だからこそ、翻訳されて日本でも出版の運びになったんでしょうが)。
ところで、ノーブレス・オブリージュという考え方は、日本はおろかイギリスでも死語になりかかっているそうで。寄付に頼るのも、所詮寄付は、慈善事業という名のビジネスなんで、限界があるんだ、とか。だからやはり、国が適切な富の分配を行うべきだ、というのが本書の基本的な考え方のようです。というか、お金、という手段に頼っているとどうしてもそうなっちゃうような気がする。また、一時期、日本は「中負担・中福祉」でゆく、とか言ってたと思うけど(最近あまり聞かないような気がするけど)、そういう中途半端な方向だと結局高負担・低福祉という最悪の結果になりかねないんじゃないかなぁ、とも思った(ここに誰かの意見があったけど、オラには難しくてよくわかんないorz)。とりあえず、イギリスはかつて「wikipedia:ゆりかごから墓場まで」という標語に象徴されるような福祉政策が自慢だったけど、今はもう死語らしい。

うーん、でもこの先は、学者の先生方に任せてしまおうか(そういう他力本願的な発想は、危険なんだけどさ)。オラの乏しい知識では、限界です、大将殿。(って、誰だ?)