た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

ゆらぐ脳

ゆらぐ脳

ゆらぐ脳

大昔(確か僕がリハビリに行き始めた頃)、著者の一人、池谷祐二さんの著書を読んだことがあったので*1、図書館で池谷さんの名前を見かけて、借りてきました。
本書は、そんな新進気鋭の研究者である、海馬を研究している池谷さんに、木村さんが質問してその回答をまとめるような形式で叙述されており、本論のちょっと堅苦しい質問の他に、気軽なミニ質問(楽しいから笑うのか、笑うから楽しいのか?*2とか)も交えて、読みやすく構成されています。池谷さんは、あとがきで、本書はぼやきのオンパレードになってしまった、とかぼやいていましたが、そんなことはないと思いますよ。なかなか読み応えのある、面白い本だと思います。自腹切って買おうかな、とも思ったんだけど、最近また積ん読が増えてきたから、とりあえずここに書いておくにとどめておく。文春の書籍なら、そんな簡単に絶版にはならんだろう、と高をくくる。
近年の脳ブームで、脳に関する本はそれこそ山ほど出版されていますが、そんな中で池谷さんの著作は、上述の著作も含めどれも読み応えがあり、研究者自身が語る最前線の研究の息吹を感じることができ、楽しく読めると思います。まぁ、上のブルーバックスなんて、もう十年近く前の本ですから、ちと古いですが。
というわけで、去年の夏出版された本ですが、脳のことを勉強したいならお勧めです。

*1:このころはまだ電話回線でインターネットに接続してたし、感想文を書く習慣もなかったから、何も残っちゃぁいない。

*2:多くの日本人は、楽しいから笑う、と思うでしょうが、ことわざでも「笑う門には福来たる」というように、笑うから楽しい面も少なからずあるんです。まぁ、何もないのにニヤニヤ笑っていると、ただの変な人になってしまいますが。でもムスッとした顔をしてるより、にこやかな顔でいた方が、周囲の人も幸せになれると思います。