た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

医学は科学ではない

医学は科学ではない (ちくま新書)

医学は科学ではない (ちくま新書)

大学偏差値ランキング2017-2018なんかを見ると、理系の王様として君臨している医学ですが、これが本当に科学*1、と言えるのか、という点について、医者の立場から論じています。
科学ではないなら、何なのさ、という声も聞こえてきそうですが、本書の中では、医学は芸術(art)であった、と語っています。僕は(一言で言うなら)仁術なんだ、と思いますね。つまり、患者の声に耳を傾け、患者の苦しみを理解しようという姿勢。
まぁ、医局のあり方などは僕はよくわからないけど、患者としては話を十分聞いてくれて、その上で適切な処方をしてくれる医師を選びたい、と思います。もっとも、現在の診療報酬の枠組みでは、そういう「話を聞く」という行為は診療の点数がつかなかったりするそうなので、それもまた問題なのでしょうが。
まぁ、この医療の問題は、僕個人としては単純にアメリカさんの真似はしてほしくないなぁ、と思います。つまり、お金がある人は良い医療を受けられるが、そうではない人は下手すると医療サービスそのものが受けられない、という状態。もちろん、良い医療を受けるためにはそれなりのコストがかかるので、多少そういう面が出てくるのは避けられないでしょうが。

*1:もっとも、この言葉の定義も問題になるのですが。例えば、wikipedia:科学、あるいはwikipedia:再現性など参照。