脳死・臓器移植、何が問題か―「死ぬ権利と生命の価値」論を軸に
- 作者: 篠原睦治
- 出版社/メーカー: 現代書館
- 発売日: 2001/11
- メディア: 単行本
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僕が一番頷(うなず)いたのは、脳死を判定するのは、医療の専門家だが、彼らは本来脳死を定義することはできないはずだろう、ということです。つまり、移植医療というものがなければ*1そもそも脳死の問題もなかったのではないでしょうか?
まぁ、こちらの略歴にあるように、僕も棺桶に片足をつっこんだ口ですが、父によると、事故が十年前なら(脳死と判定され)三途の川を渡っていただろう、とのこと。今はまた違うんだろうなぁ、と思う。
さらに本書が危惧していたのは、「脳死=ひとの死」が認められてしまうと、QOL(ここでは生命の質と訳す)が低いと見なされる人びとへの拡大解釈が始まってしまうのではなかろうか、ということです。言うなれば、優生思想の復活です。(参考wikipedia:優生学)
考えすぎだよ、という人も多いでしょうが、右向け、右!が大好きな日本人のことですから、一笑に付す訳にはいかないと思いますね。
臓器移植法が改正されようとしている今、取り急ぎ考えてみました。
*1:こういう仮定の話は無益だ、という意見もあるでしょうが。