た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

痛みのサイエンス

痛みのサイエンス (新潮選書)

痛みのサイエンス (新潮選書)

昨日、図書館に行く前に、突如として腰痛におそわれたので、この本を借りてきて、今日の午前中は勉強してました。
まぁ、午前中で読み終えた、ということは、サラッと流し読みした程度だ、ってことですがね。
でも、結構ためになる本でした。まぁ、少し専門的(医学的)すぎるきらいはありますが。
著者は文学少女だったのか、文学作品からの引用がいくつかありました。
ガリバー旅行記では、ストラルドプラグと呼ばれる不死人間を登場させ、次のように語っているそうです。「問題は、繁栄と健康に恵まれて血気盛んな日々を、永久におくることを願うかどうか、ではなく、老齢ともなれば必ずつきまとうさまざまな不幸のさなかにあって、長寿をどう生き抜いてゆくか、ということである。」wikipedia:ジョナサン・スウィフトが生きたのは、17世紀末から18世紀にかけてですが(当時の平均寿命は30〜40歳)、その当時からもう現在を見透かしていたようで、興味深いですね。
もう一つは、正岡子規の『病牀苦語(ビョウショウクゴ)』の一説から。「悟りと気取りと勘違へして居る人が世の中にも沢山ある。」先生、おっしゃるとおりです。
あとはまぁ、ちょっと専門的な話が多いかもしれませんが。
でも、最後をしめていたのは、結局痛みというのは本人にしかわかり得ない主観的な感覚だから、「苦痛が大きいときほどしなやかな心を失わずに。」という(患者の)心構えですかね。同時に、医療に携わるもの者(医師、看護師、各種療法士、病院の事務員も含めても良いかも)には、(患者は苦しいから病院に来ているのだから)その患者の苦痛を少しでも理解してあげよう、という姿勢を失わないでほしいですね。*1

*1:この辺の話は、医者嫌いの父と議論したら面白そうだ。