- 作者: サイモン・イングス,吉田利子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/01/23
- メディア: 単行本
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でも、一般の人でも興味深い(と思われる)ことは多数記してあって、例えば、元々動物の目というのは動くものにしか反応しないんだそうです。だから、テレビの動画広告が成功したんでしょうね。
でもここで注意しておきたいのは、視覚以外の感覚(聴覚・嗅覚・味覚・触覚)はpassiveなのに対して、視覚だけはactiveである、ということです。つまり、見ようという意志を持って初めて「見える」のに対し、他の感覚はその人の意志に関係なく割り込んでくる、と言うことです。だから、極言すれば、本を読むのは「勉強」と言えるけど、動画を見るのはせいぜい「学習」としか言えない、という訳です。
あと、青や緑に比べて赤や黄が目立つのは、眼球内部でのwikipedia:色収差も関係してるんだそうですね。でも、物理学的に言って赤や黄は色あせするのが早いんですなぁ。よくあるでしょ、色あせして見ずぼらしくなってる赤い看板。(最近はあるの、田舎だけか?)
(12/30再び画像差し替え )
この本の内容をまとめるなら、眼という一大叙事詩をあらゆる角度から掘り下げている、専門家にも一般の人にも勧められる一冊、とでもなりますか。でも、僕が一番印象に残ったのは、「眼で見ているものが全てではない」の一文だったりするのですが。*2