た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

ウンコに学べ!

ウンコに学べ! (ちくま新書)

ウンコに学べ! (ちくま新書)

ま、ご想像の通り、書名に惹かれて(厚別)図書館で手に取ってみたのですが、想像以上に面白い本でした。改めて買っちゃおうかな、と思ったくらいです。(まぁ、2001年の本だと、今は注文しないと手に入らないだろうし、そこまでしようとは今のところ思いませんが。)ウンコに関する雑学が満載です。例えば、牛若丸の「丸」は本来「おまる」のまるだったんだとか。昔(江戸時代)は、(肥料になるので)ウンコも売買されていたのですがその値段にも五段階の価格差があり、最上級は大名屋敷からのもので最低が牢屋からのものだったんだとか。(元々の食料が違うから、というのが価格差の理由。)長屋に住む庶民は、下から二番目のDランクだったらしい。

一般に子供がウンコ好きなことのフロイトによる精神分析や、文中で和歌や短歌も数多く引用されており、著者たちの博識ぶりがうかがえます。(ただまぁ、お上品な面々には、ウンコ、ウンコと書き並べるなんて、なんてお下品な、と眉をひそめる向きもありましょうが。)そういった小汚い話から、環境問題にまで話を持ってゆく筆力には見るべきものがあると思います。実際、今日の環境問題は、もはや「臭いものには蓋をしろ」では済まされませんからね。
みっちゃんみちみちの謎…」の話なんかも面白かったですね。


昔、大槻教授の最終抗議の記事で、

薄くてお得感に欠ける

と書きましたが、この本も160ページで同価格ですからね。(まぁ、中身の濃さは本書の方が多少濃い気もしますが。)学ぶべき内容があれば、厚い・薄いは気にすることはないんですね。ただまぁ、問題は、この中身の評価という奴は事前に下すのがなかなか難しいわけで。多くの人は売れ行き=内容の善し悪しだ、と思っているようですが(だから、ベストセラーばかり売れる)、売れ行きと内容の善し悪しは相関はあっても必ずしも比例はしませんからな。(特に、僕のようなへそ曲がりな人間にとっては。)