た-くんの狂人日記

最近はほぼ読書日記

学問のすゝめ

学問のすゝめ―人は、学び続けなければならない

学問のすゝめ―人は、学び続けなければならない

たまたま図書館にあったのがこの三笠書房版だったのですが、ほか講談社からも現代語訳が出ているようですな。
カバーの文句に、「なぜ、いまなお『学問のすゝめ』はこんなにも新鮮なのか!」とあるのですが、まったく同感です。世界同時不況にあえぐ今の世の中でこそ、改めて問い直したい問いかけが満載でした。
例えば「学問の真の本質は、ただ読書にふけることではなく、精神の働きにあるのである。」や、「古今に暗殺の例は数多いが、わたしはつねづね、こう言っている。『もし殺す側と殺される側と、両者が数日間同じ場所に起居し、互いにつつみ隠さず、その考えを話し合う機会を持ったなら、どんな仇敵であろうとも、必ず和解し、そればかりか、無二の親友となる場合もあるだろう。』と。」*1などです。また、保護と指図のバランスが取れてこそ本当の意味での『世話』になるのであって、どちらか片一方だけでは不釣り合いなものになってしまう、などです。
ただまぁ、諭吉先生の言う学問とはいわゆる「実学」で、人の心を豊かにする文学作品や漢文・和歌の素養は含まれてないようで、それもどうなの?とは思うのですがね。

*1:これなど、諭吉先生も「話せばわかる」と主張している、とは言えないでしょうか?>世の話してもわからない主義者の皆様