ウィキペディアで何が起こっているのか 変わり始めるソーシャルメディア信仰
- 作者: 山本まさき,古田雄介
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2008/09/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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をオーム社から再発行するにあたり、一部加筆修正したものだそうです。
以前は、「いろいろ問題はあるけどまぁうまくやっている」というような記述を見かけて、僕もそうだな、と思っていたのですが、本書を読んでみたところ、なかなかそう一口に割り切れるものでもないなぁ、と思いました。
(これは別な本に書いてあったことだったかもしれませんが)Wikipedia を初めとするソーシャルメディアは、元々性善説で動いていた面があるのですが、利用する人が増えるにつれ悪意を持った人が紛れ込む可能性も高まり、結果として善悪が混沌とした状況になっている、といった感じでしょうか。
結局、これは何についても言えることなのですが(このブログとて例外ではない)、ある情報が提示されたときに、それを鵜呑みにするのではなく、様々な角度から検証してその情報を信用して言いものかどうか、その都度判断していく、という主体的な姿勢が必要なのでしょうね。その意味では、あとがきで「最後の章(変わり始めるソーシャルメディア信仰)は若い世代(十代、二十代)にこそ読んでほしい」と訴えていました(それにしては文章がちょっと固い気はしますけどね)。
でもこの最後の章は、Wikipedia のみならずインターネットと社会とのつながりを考える上でも非常に興味深い議論だと思います。