- 作者: 大槻義彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/11/14
- メディア: 新書
- クリック: 27回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
でも、確かに楽しく読めました。
前半(第一・二章)は、筆者の生い立ち(ひかりものに興味を持ち、物理学者になった。)がたどれます。「虫の知らせ」についての、筆者の考え方にも共感できました。「火の玉」を、科学的*1に解明してゆく仮定も興味深かったですね。近年のオカルトブームには、ある種の知的退廃を感じる、という指摘にも同感です*2。
で、上の記事では、
そんな著者の真骨頂は、やはり最終章。
と語っていますが、僕にはむしろ第三・四章の占星術・血液型占い批判の方が読み応えがあるように感じられました。そのような、ある種主観的で非合理的な態度はファシズムにつながる危険性が大きい、と指摘しています。血液型の話にしても、紹介している人たち自ら「科学的根拠はない。」と認めているケースがほとんどだそうで。僕も大昔に血液型の本を読んだ記憶がありますが、今では、あれは統計のマジック*3である、と言いきって良いと思ってます。
で、最終章から名言を取り上げるなら、やはりこの言葉でしょう。*4
ただ教えられることをそのまま(素直に)受けるのではなく、何でもいったん疑い自分自身で検証しながら…
こちらの記事にあるように、チト薄くてお得感に欠けるのは残念ではありますが、疑似科学と科学の違い*5に興味があるなら買って損はない、と思います。
しかしまぁ、最終講義抗議*6と大見得を切って、また本書いたら笑うなぁ。その可能性なきにしもあらず、と危惧するのは僕だけか?